紆余曲折を経て、煙に巻く。 (ページ3)

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秋大｢ごめん、執筆中だったか？｣

｢全然平気だけど…何かあった？｣

秋大｢お～、色々あってだな…枢、今暇か？｣

｢執筆中だったけどちょっと行き詰まってて…暇、かな？｣

秋大｢そうかそうか！じゃあ今から来てほしい所があるから地図送っとくわ～、待ってるぞ。｣

ぷつりと切れた電話から耳を離して秋大くんとのLINEに目を通す。

送られてきた地図のURLを開くとそこにはライブハウスの場所を示しており、続けて『今日は冬也が体調悪くて来れねぇから代打を頼みたい…！』と恐らく春彦さんに貰ったのであろう可愛いワンちゃんのスタンプが送られてきた。

｢…コータローさん、ちょっと今日は早めに帰ろうか。｣

彼の顔を見ながらそう言うと彼はしょうがない、と言いたげに少し鳴いた。

コータローさんの散歩を終え、いつも使っている肩掛けの鞄に必要な物を詰めて部屋の押し入れに閉まっていたベースを取り出して家を出た。

ちょっと歩いて大通りに出て、タクシーを拾い、急いでライブハウスへと向かう車内で秋大くんとそのバンド仲間である皆からLINEが来る。

秋大後どれくらいで着くんだ?
A呼んでおいて急かすつもりか…!後5～10分で着くかと…!!
春彦秋大、最低じゃの。
一夏秋大くん、サイテー!
秋大なんなんだよ、お前ら。

LINEの内容に思わず吹き出しそうになるのを必死に抑えていると運転手さんに｢着きましたよ。｣と言われたのでお金を払い、呼び出されたスタジオの関係者口の傍で秋大くんへLINEをした。

すると、ドタドタと走る音と共に秋大くん→一夏くん→春彦さんという順でゾロゾロと出て来た。