紆余曲折を経て、煙に巻く。 (ページ17)

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和輝｢そういえば、枢ちゃんはどうして打ち上げに？一夏くんにお店来る前に聞いたんだけど本人から聞いた方が面白いよ～って笑顔で言ってたから……｣

理｢あー、確かにそう言ってた。｣

慣れた手つきで理くんにささっとおつまみや色々と渡している和輝くんと渡されたものをモグモグと食べ始める理くんの横で私は心の中で一夏くんに悪態を付きそうになったがグッと堪え、お酒が入ってるグラスを机に置いてから話し始めた。

｢私も打ち上げには参加しない予定だったんだけど秋大くんと春彦さんがライブにも出てんだから参加しなって言われて…あんまり関わりの無い人が来ても盛り上がらないからって断ったんだけどね！…和輝くんも理くんもあっちで皆さんと話して来てくれて大丈夫だからね？｣

はは、と乾いた笑いを零して、机に置いたグラスをまた手に取りお酒を飲もうとするとグラスは理くんに奪われてしまう。

突然のことだったので驚いて彼の顔を見るとずっとニコニコしていた彼とは正反対な表情をしており、少し言葉を失っていると彼が口を開いた。

理｢無理して笑わないで良いから、後は自分を無下に扱わないで。俺は少なくともこうやって枢ちゃんと話してたいから。｣

真剣な顔で私を見据えて、理くんはそう言ってくれた。

無理して笑って、皆の前では自分を取り繕って、お姉ちゃんがいない後も何とか生きてきた。

多分、皆も気づいていたかもしれないけど私のことを思ってか何も言ってこなかったのに呆気なくそれを見破ってはっきりと言ってくれた彼が少しだけ眩しく感じた。