紆余曲折を経て、煙に巻く。 (ページ14)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:9,879 hit

13 ページ14

居酒屋に入ると大きなお座敷に通され、各々靴を脱いで座り始めた。

長机でお誕生日席に秋大くんが座っており、その近くに一夏くんやKingGnuのメンバーさんとそのお知り合いであろう方々が座っていたので反対側のお誕生日席に座る春彦さんの隣に座った。

秋大くんが乾杯の音頭をし、皆がお酒を飲んでご飯を食べたりしていた安寧も束の間で空いていた私の反対側に先程まで離れた場所に居たはずの井口さんがちゃっかりと横に座っており、ニコニコしながら無言で私を見ているので正直恐怖だ。

？｢理、普通にそれは怖ぇわ。｣

助けてほしいと春彦さんに目線を送ろうとした矢先に喫煙室で会ったお兄さんが助け舟を出してくれた…確か、和輝さん。

理｢なんだよ、和輝ぃ…邪魔するなよ～！｣

和輝｢いやいや、無言のしかも満面の笑みで見つめられたら誰でも怖ぇよ！
えーっと…枢さんでしたっけ？すみませんね、うちの理が…｣

｢あ…大丈夫です。ありがとうございます、和輝さん。｣

和輝さんに向かって、座りながらも一礼して顔を上げると驚いた顔の春彦さんと井口さんと和輝さん。

何かしてしまったのかと背筋に冷や汗が流れる感覚に襲われたが井口さんが大きな声でべそをかき始めたのと春彦さんはジョッキ片手にニヤニヤしながら私を見ているのでそっちに意識が持っていかれた。