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井口さんが「あの、俺…」と何かを言いかけたその時、喫煙室の扉が開いて見るからに優しそうな顔立ちのお兄さんが入って来た。
?「あ、理やっと見つけた。秋大さん達も探してたぞ?」
理「…和輝、タイミング。」
?「え、何かタイミング悪かった?」
“和輝”と呼ばれたその人と井口さんが話していた隙にそそくさと喫煙室から出ようとすると後ろから「あ、枢さん!」と井口さんの呼ぶ声が聞こえたが聞こえないふりをして小走りに逃げた。
別に避けなくても良いんだろうけど私の歌声を好きになってくれた井口さんと話してたらまた音楽を始めたくなると思うから。
この位で丁度いいのかも、なんて思っていたのに。
「秋大くん、春彦さん、集合。」
秋大「おう、どうした。お腹痛いのか?」
春彦「なんじゃあ、今からご飯食べるのに体調悪いんか?」
「打ち上げ強制参加は聞いてないな〜、私。」
井口さんから逃げた後、秋大くん達の所へ行くと今から打ち上げだと言われたので帰ろうとすると捕らえられた宇宙人のように運ばれ、私は強制参加させられる羽目になったのだ。
打ち上げの会場である居酒屋に入ろうとしてる秋大くんと春彦さんもを呼びつけて私が強制参加は聞いてないと言うと2人は顔を見合わせてから私に向き直り、何か問題でもあるのか?と言いたげな顔で見てきたので少し腹が立った。
“ライブの打ち上げ=井口さん達も参加”というのは当たり前な訳で、さっきから一夏くんやKingGnuさんの話してる輪からめちゃくちゃ視線を感じるのがもう居た堪れない。
春彦「まぁ…たまにゃ、わしらみたいな年上じゃのうて同い年くらいの若人と話すんも大事じゃろ?のう、秋大。」
秋大「ん゙〜…まぁ、そうだな。」
そう言うと秋大くんはお店に入って行き、春彦さんも私き早く店に入ろうと催促した。
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理奈(プロフ) - コメント失礼します。続き楽しみにしてます。 (2020年12月24日 22時) (レス) id: 51b4d0b4c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡桃釦 | 作成日時:2020年11月24日 12時