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突然始まった自己紹介とお友達になりましょう。
そして腕は掴まれたまま凄い勢いでお辞儀をされた…ので反応に困っていると、ちらりと上目遣いで私の顔を覗いてきたもふもふ頭の巨人…基、井口理さんはどことなくコータローさんを彷彿とさせた。
少しだけ、ほんの少しだけ!可愛いなぁとか思ったけど未だに腕を離してもらえないのはどうにかしなければ…と考えていると彼の方から「ずっと腕掴んでごめんなさい!」と謝ってから離してもらえた。
その時にふと、彼が今日のライブでKing Gnuというバンドのボーカルをしていた人だと思い出した。確か秋大くんやお姉ちゃんの後輩…って言っていた気がする。
「あの…井口さん?自分は別にそんな大層な者では無いので…えっと……」
理「此処の関係者さんですか?…いや、お名前だけでも!」
喫煙室から出ようとする私の腕をまた掴んで必死に引き止める井口さん、正直に言うと本当に誰でも良いから助けてほしい…
こういう時に限って秋大くんも春彦さんもいないじゃん!と心の中でちょっと八つ当たりしていたがジッ、と私を見つめる井口さんに私は根負けして自己紹介をした。
「枢。菱鷺、枢…です。菱形の菱に鳥の鷺で菱鷺です。」
それだけ伝えると掴まれていた腕がゆるりと離されたのと同時に井口さんは少し頬を染めながら「素敵なお名前ですね。」と此方を見て、微笑んだ。
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理奈(プロフ) - コメント失礼します。続き楽しみにしてます。 (2020年12月24日 22時) (レス) id: 51b4d0b4c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡桃釦 | 作成日時:2020年11月24日 12時