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風で窓がガタガタと揺れる音が響く部屋で私は原稿用紙へと万年筆を滑らせる。


早朝から手は動かすものの自分の納得のいく話が出来ている訳でもなくて暖房も効いているせいか少しばかり張り詰めいていた空気を換気すべく、筆を持つ手を止めてベランダの窓を開ける事にした。


窓を開けると暖かかった部屋に冷たい風が一気に吹き込む。



「冬のこの感じが好きなんだよなぁ…」



なんて独り言を呟いていると窓の外で愛犬のコータローさんが散歩を待ち遠しそうにコチラを見ており、日課の散歩へ行っていないことを思い出したので急いで散歩の支度をして庭へ出た。


彼のいる庭に出ると尻尾をぶんぶんと振っており、私の姿を見るや否や大きな体で突進をしてきた。


受け止めるので精一杯なのもあり、少し後ろによろけたが可愛いので良しとしよう。



「コ、コータローさん、おはよ…うぶっ。」



散歩へ行ける嬉しさを表現しているのか人の顔をべろりと舐め、わふっ。と小さく鳴いてから足元にすりすりと寄ってきた。


犬バカなのでそんな姿も可愛いな〜…と、ついデレデレしてしまう。


リードを付けて散歩へ行こうとするとお手伝いさんの篠崎さんが部屋の窓からひょっこりと顔を覗かせていた。



篠崎「枢お嬢様、おはようございます。」


「あ、篠崎さん。おはようございます、今から少し散歩へ行ってきますね。」


篠崎「かしこまりました、朝餉の支度だけしておきますね。お気をつけていってらっしゃいませ。」



「はーい。」と返事をして、いざ散歩へと向かった。



篠崎さんは幼い頃から私たち菱鷺家に仕えていて、父と母が亡くなった時もずっと傍にいてくれた大事な家族のような人で私が小説を書くのに専念できるのも彼のおかげだと断言出来るので常に感謝の心を胸にしている。


長い尻尾を振りながら歩くコータローさんの横で適当な鼻歌を歌っているとポケットの中でスマホが鳴っていることに気づき、1度止まってスマホを確認すると電話をかけてきたのは幼馴染みの秋大くんだった。


急いでかけ直すと、心地の良いウィスパーボイスが聞こえてくる。

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理奈(プロフ) - コメント失礼します。続き楽しみにしてます。 (2020年12月24日 22時) (レス) id: 51b4d0b4c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡桃釦 | 作成日時:2020年11月24日 12時

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