【stxxx】今日から君は、この家の。 (ページ4)

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「まずは俺からね」

紫のお兄さんが、わたしににっこり笑いかける。

「俺は長男のななもり。

気軽になーくんって呼んでくれると嬉しいでございます！」

どうやらこのお兄さんたちは兄弟らしい。

次は誰だ、と言わんばかりに他の兄弟へ目を向けるなーくん。

はいはいはい！！と元気よく手を挙げたのは、赤色のお兄さん。

「俺は莉犬、次男！」

頭から生えた耳をぴょこぴょこさせながら、わたしの手を握って上下に振る莉犬くん。

「次はさとみくんねー！」

「えぇ、俺ぇ？」

びしっとわたしを膝に乗せた桃色のお兄さんを指さす。

お兄さんはめんどくさそうに口を開いた。

「三男のさとみ、呼び方はさとみくんでもさとちゃんでも何でもいいよ」

わたしを見てそっと口角を上げるさとみくん。

きっとすごく優しい人。

「じゃあ次は僕だね！！！

四男のバナ……ころんくんです！！バナナぁ！！！」

バナナって言いかけた水色のお兄さんはころんくんというらしい。

大きな声でバナナを連呼するころんくんに「喧しいで」と顔をしかめるオレンジ色のお兄さん。

「五男のジェルでーす☆」

決めポーズをして自己紹介をしたジェルくんだけど、みんなにはあまりウケなかったみたい。

ぽかんとした顔をしたみんなを前に、どこか気まずそうに席に戻る彼。

なんだかおもしろくて、少し笑ってしまった。

「最後に……るぅとです、六人兄弟の末っ子です。」

ふんわり微笑んだるぅとくん。

なるほど、個性が強い兄弟なんだなぁ。

「俺たちの名前は覚えられたかな？

他に何か聞きたいこととか、あったりする？」

「ううん、大丈夫。

ありがとう、なーくん」

嬉しくて思わず口元が綻ぶ。

小さく笑ったわたしを見て、みんながすごく嬉しそうな顔をしていた。