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「こんにちは」
優しい笑顔で挨拶をしてくる女の子。
伊藤 花さん…、だったっけ。
「……こんにちは」
緊張で頬が引きつるけど
なるべく満面の笑みで返した。
「今日は誰かのお見舞いに?」
「あぁ、ハイ。姉のお見舞いです」
「そうですか。お姉さんの具合は良いんですか?」
「あぁ、ハイ」
「……」
「…………」
お互い無言って一番なっちゃいけないパターンだと思う。
めちゃくちゃ気まずい。
そのまま俺は何もできぬまま
ボーっと突っ立っていた。
「……あの、」
沈黙を破ったのは彼女だった。
「一緒に、その……お茶でもいかがですか?」
「え……?」
「いっ嫌ならいいんです!!
ただ、おやつの時間に近いな、と思いまして……」
そう言い顔を真っ赤にして俯く。
ヤバイ、めっちゃ可愛い。
「駄目……ですかね?」
俺はもちろん、全力で首を縦に振った。
______
___
コポポポポ……
といい香りのお茶が真っ白なカップに注がれる。
いい香りの部屋で、
いい香りのする女の子と、
いい香りのするお茶を飲む……。
悪くない、むしろ最高だ。
「カモミールティです……」
「ありがと、です」
なぜか敬語になる。
カップを両手で持って息を吹きかけながら
少しずつお茶を飲む彼女の姿は
小動物に見えて仕方なかった。
笑いをこらえながら彼女を観察する。
先週は焦っていて顔はよく見なかったが
あらためてじっと見ていると
かなりの美少女だった。
長い睫毛、
透き通るような白い肌、
そして
さくらんぼのような赤い唇__...。
唇……、
昨日見た恋愛ドラマのワンシーンを思い出す。
想いが重なった二人は、夕焼けをバックに顔を近づけて……
「ぶっっっっっ」
口に含んでいたお茶をいっきに吹き出す。
変体か!!俺は!!!!
唇でなんてモン連想してんだよっ。
「……へっくしゅっ」
ん?
くしゃみが聞こえたほうに目を向けると
「すいません、かかっちゃいました……」
胸元を(俺が吹き出したお茶で)湿らせて
寒そうにしている彼女の姿があった。
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羅城明(プロフ) - 続き待ってます (2018年10月14日 2時) (レス) id: 429ef02dfd (このIDを非表示/違反報告)
無気力零架(プロフ) - っっっ!!!!お忙しい中更新ありがとうございます!復習がてら最初っから読みました……(笑)ゆっくりでいいので、もう……更新楽しみにしてます!!これからも頑張ってください!応援しております…♪ (2018年2月4日 17時) (レス) id: 91075b043c (このIDを非表示/違反報告)
都。(プロフ) - と も 松さん» 誰かを感動させられるなんて光栄です!とっても嬉しいです。拙い文章にもかかわらず、読んでくださりありがとうございましたm(_ _)m♪ これからも少しずつで申し訳ないですが、最後まで書ききられるよう頑張ります!!コメントありがとうございました♪ (2018年2月4日 15時) (レス) id: 947d3dbb35 (このIDを非表示/違反報告)
都。(プロフ) - 無気力零架さん» とても励みになります!忙しいが口癖になりつつあり、危機感を感じております。やっと更新できました、マイペースではありますが完結できるよう頑張りますので見守って頂けたら嬉しいです。コメントありがとうございます、頑張れます!ありがとうございました♪ (2018年2月4日 15時) (レス) id: 947d3dbb35 (このIDを非表示/違反報告)
都。(プロフ) - 悠里さん» いつも嬉しいコメントをありがとうございます!更新ペースがもはや年1回です…。高校受験終わるまでに、が、気づけば大学受験が終わったらになりつつあります((-_-;)) 優しいコメントにいつも励まされます♪ これからも頑張ります。よろしくお願い致します! (2018年2月4日 15時) (レス) id: 947d3dbb35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:都。 | 作成日時:2013年1月19日 19時