噂のカノジョ【Ryo.Y】

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＿「もしもし？？」

『もしもし』

＿「一人で大丈夫？？」

第一声がそれって心配しすぎだろう。私は笑いながらも「平気だよ」と伝えると、亮くんは「そっかそっか！」と言った。

『ロケどう？？楽しい？？』

＿「まあ割と？？」

なんだそのどちらとも取れるような返事はと二人でクスクスと笑う。彼が撮影で遠方にいくことは多々あるし、何なら一週間や数ヶ月ということだってある。それなのに毎回そわそわしてしまうのは仕方ないだろう、それは亮くんもらしくて「大丈夫？？平気？？生きてる？？」と物凄い量の連絡を送ってくるのだから、お互い麻痺している気がする。

＿「でもまあご飯は美味しいかなあ」

『そういえば父親がさぁ』

＿「どっちの？？」

その言葉に「東京の方」と言えば、「Aの好きな方のパパか！！」と言われた。面と向かって話すときは”パパ”というが電話になると”父親”というのは、少々パパ呼びに恥ずかしさがあるからだと思う。ちなみに義父の方はお父さんと呼んで区別をしている。

『それでね、パパが今上海の方にいるんだけど蟹送ってくれるって』

＿「まじ？！上海蟹？！」

『そう、なんか昨日食べに言ったら美味しかったから送るね〜って連絡きた』

＿「まじありがてえ、お礼言っといて」

相当嬉しいのか声がいつもより高い気がして笑いながら「わかったよ」と伝える。

＿「明日夕方には帰れそうだから、Aが帰ってくる頃には家にいるかも」

『ほんと？！』

私が嬉しさのあまり声を上げるとそれが伝わったのか亮くんはクスクスと笑いながら「待っててね〜」と電話越しでもゆるい声が伝わってきた。ここ最近は都内の撮影等が多かったが、来月から始まる銀魂2の撮影で彼は東京と京都を行き来することになるかもしれないな、とふと思った。

『早く帰ってきてね、落ち着いて寝れない』

＿「...も〜かわいいなあ、早く帰るよ。もうすぐに新幹線乗って帰っちゃう」

『巻き巻きでお願いします』

＿「任せろ」

その言葉に私は少し笑って、お互い朝も早いために電話を終えた。布団に潜り込んだ私はスマホを充電器にさしてタイマーをセットした、明日は一緒に寝れるから、そう心の中で呟いて目を瞑った。

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