01 ページ2
[吉沢 side]
リビングの二人掛けソファーに寝っ転がる彼女の顔は雑誌に遮られていて表情を伺うことができない。
唯一見えるのは大きな水色のパーカーから出ている雑誌を掴む小さな指だけで、少しもどかしさを感じながらもその様子をソワソワと見つめる。
読んでいたページも最後の方になったのか、微かに震え始めた彼女にグッと拳を握って生唾を飲んだ時、バサリとその雑誌が畳まれた。
『アッハハハハ！！やっば、なにこの記事、面白すぎる！！』
大爆笑をする彼女は目尻に浮かんだ涙を拭っており、そんなに面白いか、と彼女のお腹の上で閉じられた週刊誌の表紙の端には「吉沢亮 年下彼女と真剣交際で同棲中！！」と俺の写真と共に綴られていた。
『有る事無い事書かれるってこういうことかぁ、面白かったぁ』
「普通はもうちょっと何かショックとか受けるもんだろ...」
その言葉に大きな瞳をパチクリとさせた彼女はニヘラと笑って「亮くんと付き合うって決めた時から覚悟はしてたから全然平気〜」と言った。
俺よりも15cmは小さな身長に、染めた茶髪にパーマがかかっていていつもフワフワと揺れている。片手で収まりそうなくらい小さな顔には、こぼれ落ちそうなくらい大きな瞳がいつも輝いていて、その瞳に俺はいつも引き込まれてしまう。
「そういうところが好き」
『知ってる』
雑誌を机の上に放り投げた彼女はスマホを見ながら適当に返事をした。
それが少し面白くなくて寝っ転がっている彼女の脇に腕を入れて持ち上げ、自分の膝の上に顔が見えるように乗せた。
『なーに』
「好きだよって言ったの」
『私も好きだよ』
少し照れたようにはにかんだ彼女の両頬に手を伸ばしてこちらを向かせると、俺はその額にキスを一つ落とした。
『亮くんそれ好きね』
「嫌だ？？」
『嫌ではない』
そういう所も可愛いかったりする。もう付き合ってから1年以上は経っているのに今だに可愛らしい反応をしてくるから俺だって少し弄りたくなってしまう。
週刊誌には彼女が俺にアタックしたと書かれていたがそれは間違ってる。俺が彼女に一目惚れをしてアタックをして、今でも多分俺が心底惚れてて彼女がいないと生きていけない人間になってしまっている。
それくらい俺の彼女は愛らしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 853人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
〜空〜(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (2020年12月18日 18時) (
レス) id: 0dde4696e9 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 続き気になります！更新待ってます！ (2020年10月7日 0時) (レス) id: 1c6164a0e9 (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - Chiroruさん» ありがとうございます！！ご指摘ありがとうございます、どうしてもズレてしまうようで汗 これからもご愛読よろしくお願いいたします！！ (2020年8月13日 18時) (レス) id: 51c364b744 (このIDを非表示/違反報告)
Chiroru - monoさん！毎日更新されるのがたのしみです！！また、23、24、23となってます！ (2020年8月7日 23時) (レス) id: d654b36b98 (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - uka8502さん» ありがとうございます！ (2020年8月3日 14時) (レス) id: 51c364b744 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mono | 作成日時：2020年7月26日 20時
