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Aside


樹「ほんっとうに!!ごめんなさい!!」



天気のいい平日の午後。



大我の前で思わず泣いてしまったあの後、大我から帰るように言われた。



「Aはもう今日は帰れ」と、冷たく言われたが大我なりの気遣いであることは痛いほどわかった。



そして、家に恐る恐る帰るとそこに北斗はいなかった。



ほっとしたのと同時にまた泣きそうになっていると、スマホに着信が来ていた。



それは樹くんからで、今から会えないかということだった。



そこで私たちは、近くのカフェで会うことにした。



「ちょ、ちょっと樹くん……!!顔を上げて?ね?」



樹「……謝っても許されないのはわかってる。俺がAちゃんに北斗を推薦してしまったばっかりに……まさかこんなことになるなんて……」



樹「すべて俺の責任です。本当に申し訳ない……」



樹くんは、私が席に座るとものすごい勢いで頭を下げた。



「いいよ樹くん。樹くんが反省することじゃないし……これは、私と北斗の問題だから。樹くんが気にすることじゃない。」



樹「……ごめん。本当にごめん。」



「いいの。私は平気だから。」



樹「……アイツが今どこにいるか知らない?俺一発ぶん殴ってくる。」



「そこまでしなくてもいいよ……北斗、家いないの。」



樹「……浮気相手のところか。」



「……みたいだね。ま、気まずくて家にもいられないよね。」



樹「クッソ!!マジでなんなんだよアイツ!!腹立つ!!」



「ま、まあまあ……」



どうやら、樹くんの怒りは相当のものであるらしい。



見た目の印象では少しチャラめな感じだが、性格は誰よりもまっすぐで真面目な人だ。



そんな樹くんは、どうしても北斗のことが許せないらしい。



「……浮気相手のことについてなんだけど。樹くんなにかわかった?」



樹「おう。わかった。北斗の浮気相手は、たぶんだけど同じカフェで働くアルバイトの人だと思う。北斗の店に行ったときに、仲良さ気にしてた。」



「……確か、お店にも恋人がいること言ってなかったんだっけ……」



樹「……うん。だから、2人が仲良くしてても同僚の人達は不自然に思わないからね。」



「……そうだよね、」



樹「Aちゃん。俺、絶対アイツに謝らせるから。なんなら浮気相手ころ」



「ストップ!!」



樹「あ、ごめん……でも、俺はそのつもりだから。」



「……うん。わかった。」



樹くんの真剣な気持ちに、私はそっと頷いた。

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作者名:すのうHIINA | 作成日時:2023年4月2日 23時

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