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Aside
大我『資料室来て。』
「…………」
大我「……遅い。」
「はいはい、ごめんなさい。」
翌日。
いつも通り仕事をしていると、同期である大我が私にこっそりLINEをしてきた。
「……なんでわざわざ資料室？」
大我「誰も来ないでしょ。Aの話聞きやすいかなと思って。」
大我はファイルをパラパラとめくりながら言う。
……
「……なに。」
大我「それはこっちのセリフ。……なんかあったろ、お前。」
「……別に、なんもないよ。」
私は髪の毛を耳にかけて、そう言った。
あんまり大我を視界にいれないように、下を向く。
大我「……誤魔化し下手くそかよ。言っとくけど、俺に嘘通用しないから。」
そういうと、大我は私に近づいてきて俯いている私の顔を強引に上へ向かせた。
顎をぐいっと引っ張って自分の方に向かせると、悪魔のように笑う。
大我「……俺に隠し事なんか無駄だから。……わかったら、さっさと話して。」
「……やめて、」
私は大我の手を振り払うと、大我を見つめて睨む。
「……ここ会社。あんまりプライベートな話したくないんだけど。」
大我「だからここに呼んだんでしょ。」
「なんでそんなに知りたがるの？」
大我「……だって俺たち、友達でしょ？」
机に腰掛け足を組んで、ニッコリと微笑んで言う。
「……よく言うよ、」
私は軽いため息を零す。
大我「……真面目な話。俺は心配してんの。だって全然元気ないじゃん。」
「……誰にも話さないでくれる？」
大我「いいよ。俺、口硬いから。」
「……どうだか、」
私はふっと笑うと、私は粘るのを諦めて北斗のことを話した。
大我は終始怖い顔でその話を聞いていた。
大我「…………なにソイツ、最低。」
珍しくドスのきいた低い声で言う大我。
「……確かに、最低だね。」
私は大我の横に座って、ため息ついた。
「……別れたくないのにな……私、どうすべきなのかね。」
私は自嘲気味に笑って見せた。
大我「……もう、捨てちゃえば？その男。」
「……え？」
大我は私の耳元で、そう囁いた。
大我「……そしたら、Aは俺と付き合えばいいじゃん。」
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作者名：すのうHIINA | 作成日時：2023年4月2日 23時
