う わ き あ そ び ＿＿＿ＪＷ

浮気＿５ ページ5

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『今日は、帰れません、と』









白い紙に、くせのある丸っこい字でそう書く。






置き手紙を添えて、夜ご飯として作ったハンバーグをラップして置いた。





きっと、


【はよ帰ってこい】って、置き手紙なんかどうでもよしで




メールしてくるんだろうな。









それも、１０件くらい。






淳太の束縛は激しい。








…のに、自分だけ浮気をする。問い詰めてもしらばっくれたままだし、第１逆ギレする。









本当に、めんどくさい男だ。





つくづく思う。






思いながらも、ヘアスプレーをシューッと髪に吹きかける。








クシュッと髪をルーズにふわふわに仕上げた。





最近買った、可愛いネックレスとパールのピアスを身につける。







るんるん、と言ったような気分でドアノブを握る。







ガチャリ、と鍵を回す。








るんるん、と言った風にスキップして出て行く。






うぇすとカフェには、思った以上に早くついた。









予約しておいた個室に早々と入る。









『わあ…チョコフォンデュ。美味しそぅ…』









早速、メニュー表を見てうっとりしていた。









「あっれぇ？淳太の彼女ちゃんじゃあん。」









ガラリと個室のドアが開いた音がして、反応する。







斜め後ろに、どこか見覚えのある…









てゆうか、個室なのに気にせず入ってこれたってことにびっくり。









この人は…淳太の浮気相手。









有栖さんだ。









「彼女ちゃんとご対めぇん。あららららっ？あんまり可愛くないぞぉっ。」









気にせず、土足のまま個室に入ってくる。







そして、鼻をツンって触られた。








寒気がする。









ニコォッという悪い笑みが、脳裏に変な事を思い出させた。









『なんの…用ですか、』




「お口が悪い事。」









すっと笑顔が引いて、真顔になる有栖さん。







すると、ほっぺをギュウッとつねられた。




尖った付け爪が頰に食い込む。






あまりの痛さに、ピリッとした感覚が背中に走った。









『…っ、いッ』









「淳太の隣には私がふさわしいの。ねぇ、わかる！？」









食い込ませたまま、頰を揺さぶられる。








「ちょっと先に会ったからって！調子に乗って付き合う！？バッカじゃないの！ありえない！聞いてんのかよ！？」






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