10 俺とライバル(？) ページ10
冬は、日が暮れるのが早い
まだ部活は始まったばかりなのに、もう空は紅く染まりかけている
妬いていたと納得し、俺のイライラはもうすっかりなくなっていて、
その代わりにAに謝りたい気持ちでいっぱいになっていた
今日の様子を見ていると、Aは結構イライラしているようだった
ああ、俺って本当に馬鹿だ
なんで当たったんだろうな
そんなこと考えながら、走っていた
部活動が終わり、ボールを片付け帰る用意をしていた
「南雲くん」
横から、呼ぶ声が聞こえた
新入部員の吹雪だ
「このあと時間ある？」
今日は一人で帰る予定だったため、話なら静かなところがいいと思い河川敷に行った。
「ごめん、早く帰りたかったよね」
「別に」
「…で、話なんだけど」
夕日で赤緑の芝生に腰掛けた
グラウンドは沈みかけの夕日に照らされて、冬の寂しさが漂っていた
「南雲くんとAちゃんが怒ってた原因、僕だよね。まず、ごめんね。」
「‥いや、」
「でもね、僕もAちゃんのこと好きなんだ」
「…なんで知ってんだよ」
「そりゃあ、あんな鬼みたいな顔の南雲くんをみたら、誰だってって気づくよ」
「僕も」？
何も言ってないのに、いつの間にか悟られていて驚いた。
うわ、多分無意識でなってたんだな。記憶にないから。
「僕、家族がいないんだ」
「…」
「一人ぼっちってさみしいでしょ？ 僕、人気らしいから白恋中でもこの学校でも女の子に囲まれることしょっちゅうなんだけど、でも、彼女たちにはあったかいものはなくて。」
吹雪の言っていることは、なんとなくわかる
俺は親も兄弟もいない
でも俺ははお日様園に兄弟のような友達がいる
吹雪は、こっちに来てもっとひとりだったんだ
「それで、迷子になったとき、ひとりだし知らないところだからすっごい不安だった。
そんなときに、Aちゃんが声をかけてくれてね。最初はまだ寂しさは無くならなかったんだけど、Aちゃんは、すっごく優しくて面白くて、あったかかった。だから多分好きになっちゃったんだ」
「…」
吹雪と話をして、心の中でなにかが解決したような気がした
話している間、吹雪の表情は柔らかく、穏やかだった
「長々とごめんね。じゃ、また明日」
「おう」
気がつくともう日は沈んでいて、夜が始まるところだった
スっと立ち上がり、吹雪は歩き出した
「あ」
「？」
「はやくしないと、僕がとっちゃうからね」
孤独なライバル
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かに - 晴矢の照れてるところが、可愛いです！続き楽しみにしております！ (2016年5月17日 20時) (
レス) id: 4da484ec15 (このIDを非表示/違反報告)
星空 - 晴矢のヤキモチかわいいです！吹雪くんも風介もかわいい！！続きも楽しみにしてます！ (2015年4月19日 12時) (レス) id: d145c24cbe (このIDを非表示/違反報告)
のか - 早くして (2015年4月6日 0時) (レス) id: a12d6460bb (このIDを非表示/違反報告)
るた(プロフ) - 櫻井秋奈【お絵描きしか出来ない人】さん» お久しぶりです！「解せぬ」……最近よく使っております。ヒロトはやはり扱いが誰よりも酷くなるのです……何故か…… (2014年8月24日 23時) (レス) id: cfb105b642 (このIDを非表示/違反報告)
櫻井秋奈【お絵描きしか出来ない人】(プロフ) - 解せぬってなんか可愛いねw思わず吹いちゃった！おひさしぶり！ (2014年8月24日 21時) (レス) id: 71a07d8fb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：38 | 作成日時：2014年3月26日 23時
