イチバンボシ。２ (ページ17)

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ご褒美@黄ページ17

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岩本 side

深澤「ねーA、本当にやるの？」

朝比奈「やりますよ」

デビュー曲では歌やダンスは勿論、アクロバットもふんだんに組み込まれている。

今日はそんなアクロの練習に来たんだけど。

ふっかが気が進まないのは、朝比奈さんのアクロ。

彼女は幼い頃から器械体操を習っていたらしく、俺らの中にいても違和感なく、バク宙までこなしている。

それでもふっかは心配みたいで。

朝比奈「ふっかさんと舘さんが、ちゃんと支えてくれたら大丈夫です」

深澤「そりゃ支えるけどぉ」

宮舘「とりあえずやってみて考えようよ」

彼女が挑戦するのは、ふっかと舘さんの腕からジャンプして宙返りして腕の中に着地する、チアリーディングなんかでよく見るやつ。

やる気満々の朝比奈さん。

でも実際にやってみたら、何度も失敗して。

深澤「ほら、もうやめよ？違うのにしよ？」

宮舘「デビュー曲だから何度も披露する事になるし、ここまで難易度高くなくても、」

朝比奈「…」

二人にも諦めの色が見え始め。

勿論心配からなんだけど。

そんな雰囲気を察してか、朝比奈さんは悔しそうに俯くだけで。

俺「もうちょっとだけ挑戦してみたら？」

そんな彼女を見兼ねて、気がついたら、そう声を掛けてしまっていた。

朝比奈「！…頑張ります！」

深澤「まぁ、じゃあ後少しだけ」

目の輝きを取り戻した朝比奈さんは、ふっかと舘さんを急かし、また練習に取り掛かった。

これだけ一生懸命な所見てたら、成功した時の顔も見てみたい、そう思っちゃった。

そして三十分後。

宮舘「お」

深澤「A！」

朝比奈「出来た！！」

回転から着地まで、綺麗に決まった。

三人はテンション高く、ひとしきり盛り上がって。

朝比奈「岩本さん！どうでした？」

少し離れた所から見ていた俺に駆け寄って来て、感想を求める。

俺「華があっていいと思う」

朝比奈「！ふっかさん舘さん聞いた？」

思った事をそのまま素直に伝えると、顔を輝かせ、嬉しそうに二人の元へと戻って行った。

素直で可愛くて眩しいな。

その後はコツを掴んだのか、何度も成功を重ね。

無事デビュー曲のアクロに組み込まれる事になった。

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