テレパシー@赤 ページ15
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宮舘 side
朝比奈「うーん」
撮影までの空き時間。
学校の課題に取り組む朝比奈さんが、手を止め声を漏らす。
少し離れた所でスマホを弄っていたふっかが、その声に反応してのそのそとやって来た。
深澤「どしたぁ。俺が教えてやろうか？」
朝比奈「阿部ちゃーん」
深澤「おい」
阿部「はいはーい」
深澤「ちょっと！無視？」
朝比奈「ふっかさんこの問題分かるんですか？」
深澤「…よし、阿部ちゃん、頼んだ」
後ろから問題を覗き込んだふっかは早々に退散するも、阿部が隣の椅子に座り教え始めると、時々ちょっかいをかける。
朝比奈「ふっかさんうるさい」
深澤「暇なんだもーん」
朝比奈「時間ないんだから邪魔しないで！タバコでも吸って来たら？」
深澤「もう吸わないもん」
そんな子供みたいな言い合い。
ちょっと、羨ましくも思ったり。
マネ「深澤さん阿部さん、そろそろなんでスタンバイお願いします」
深澤「はーい」
阿部「あらら、戻って来たらまた見るから待っててね」
朝比奈「うん、頑張って来てね」
二人ずつの撮影。
順番が回って来た二人が楽屋を後にした。
そんな一連の流れを眺めていたら、視線を感じたのか、朝比奈さんと目が合った。
朝比奈「…」
俺「俺に勉強は聞かないで」
朝比奈「ですよね」
ですよねって。
すぐにハッとしたように口元を押さえる彼女。
朝比奈「あ、その、」
俺「いいよ、分かってるよ」
悪気があった訳じゃない事くらい。
そういうつもりで言ったんだけど。
朝比奈「あ、そっか。テレパシー」
目をキラキラとさせ、納得したように頷く。
前に、「何で私の言いたい事分かったんですか？」なんて言われたから、冗談で「俺人の心読めるんだよね」って答えたら、すっかり信じてしまった朝比奈さん。
それ以来、俺の事をエスパーだと思ってるようで。
面白いからそのままにしてるけど。
可愛いよね。
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作者名：うさみ
| 作成日時：2023年7月19日 19時
