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数分後、滝沢くんに連れられて帰って来た朝比奈さん。
あれからずっとぶっ通しで踊っていたとは思えないくらい、涼しい顔をしていた。
でも、その顔には不安な様子が伺える。
そりゃそうだよな。
俺「朝比奈さんは、どう？Snow Man、入りたい？」
朝比奈「入り、たいです」
最大限に優しく問い掛けると、彼女と目が合ったけど、すぐに逸らされてしまった。
宮舘「他にもたくさんグループはあるけど、どうしてSnow Manに入りたいの？」
朝比奈「それは…ジャニーさんが、私はSnow Manに合うと思うから、って」
一瞬困ったように滝沢くんに視線を送ったけど、滝沢くんも困った顔をするだけで。
どんどん不安が強くなる表情で、それでも何とか言葉を返す彼女。
佐久間「女の子、ってだけで色々言われたりとかもあると思うけど、頑張れる？」
朝比奈「…頑張りたいです」
ついには俯いてしまった朝比奈さん。
岩本「何でこの事務所に入ったの？」
朝比奈「…先生が紹介してくれたから」
うーん、これはもう、ダメかな。
俯いたままの朝比奈さん。
そしてメンバーの反応を見る限り、きっと上手くいかない気がする。
彼女と滝沢くんが来る前。
「最後の決断は、ふっかが決めていいよ」
「それがグループの総意だから」
「俺らの意見まとめてくれるのはやっぱりふっかだもんね」
みんながそう言ってくれたから。
今回は無理だってはっきり言おう。
そう決断して、口を開こうとした時。
朝比奈「…でも、アイドルになりたいのは、私の小さい頃からの夢で。その為にたくさん努力してきたから、その気持ちだけは、誰にも負けません。デビューを掴み取るためにはどんな努力もします。みなさんの力にもなれるよう、頑張ります」
顔を上げて、はっきりとそう告げる彼女。
さっきまでの不安げな表情ではなく、これは覚悟を決めた人の顔。
最後に、メンバーの顔を一人一人見る。
みんな、力強く頷いてくれた。
俺「滝沢くん。俺ら、朝比奈さんも入れて、１０人でSnow Man、やっていきます」
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作者名：うさみ
| 作成日時：2023年7月8日 14時
