迷子@黄 ページ33
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岩本 side
深澤「ね、朝比奈ちゃん知らない？」
8.8祭の公演前。
賑わう楽屋で声を掛けてまわるふっか。
俺「何、いないの？」
深澤「うん。着替えてくるって言ってから一時間経つのに戻ってきてなくて」
声を掛けると、ふっかの顔に焦りの色が浮かんでいた。
佐久間「俺探してくる」
目黒「俺も」
阿部「じゃあ佐久間達は２階回って、めめとラウは他の楽屋見てきて。康二は、」
様子を見ていたらしいメンバーがすぐに集まってきて。
阿部がテキパキと指示を出して、みんな動き出した。
こんな時だけど、俺らチームワークいいな。
深澤「何笑ってんの」
俺「や、別に」
そう思って笑ってたらふっかに怒られた。
森本「どうしたの？俺らも動こうか？」
深澤「や、あんまり大人数で動くと、大事なっちゃうから。ありがとね」
何事かと慎太郎が声を掛けてくれた。
楽屋戻ってきたら頼むねってふっかが慎太郎に託し、俺らも楽屋を出た。
俺「そんな焦らなくても大丈夫だって」
小走りで探し回りながら、顔色が悪く見えるふっかの肩に手を置く。
朝比奈さんは、俺から見てもプロ意識を持ってる子だと思うから。
嫌になって投げ出すような子じゃない。
俺はちゃんと本番までには戻ってくると思うんだけど。
深澤「…それでも不安だよ。繊細だから、あの子。それにまだ１６だよ？いつか心が折れちゃうんじゃないかって。それが今日かもしれないし」
立ち止まったふっかは俯きながら、そう溢した。
なんていうか…
俺「お前朝比奈さん大好きだな？」
深澤「好きだよ！俺はメンバー全員好きで大切なの！！…誰一人欠ける事なくデビューして、やっていきたいんだよ、俺は」
俺「…ははっ」
深澤「何笑ってんだよ」
俺「いやぁ、ふっかがSnow Manにいてくれて、メンバーでよかったなって」
深澤「何だよ急に」
いつもメンバーの事を考えてくれてるふっか。
俺はそんなふっかを、一番に支えられるように。
俺「ほら、早く探すぞ」
深澤「いて、分かってるよ！」
ふっかの背中を叩いて駆け出す。
この最年長を安心させてあげる為にも、早く朝比奈さん見つけ出しますか。
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作者名：うさみ
| 作成日時：2023年7月8日 14時
