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朝比奈「…すごい」
別室に連れてこられて、朝比奈さんが歌う曲のデモを聞かされて。
歌えって言われたから、ヤケクソで歌ってやったらこの顔ですよ。
朝比奈「何で歌えるんですか？」
俺「まあ、俺もそれなりにキャリア長いし」
朝比奈「すごい上手」
そんな褒められたら悪い気はしない。
しょうがない、付き合ってやりますか。
俺「ほら、聞いててあげるから歌ってみな」
朝比奈「はい！」
元々歌は上手いんだと思う。
「ここはもっと伸ばして」
「次の音すぐ来るから、ここは息継ぎなしで」
なんてちょこっとアドバイスしただけで、あっという間に形になった。
俺「いいじゃん。あとは何度も歌って、自分のモノにしてけばいいんじゃない」
朝比奈「はい！ありがとうございます！」
体育会系の返事をする朝比奈。
そういえば佐久間の事は師匠って慕ってたけど、俺の事は何て呼んでくれるんだろう。
そう伝えると、朝比奈は不思議な顔をして。
朝比奈「渡辺さんで」
俺「何でだよ」
朝比奈「師匠って感じじゃないですし、」
佐久間だって師匠って感じじゃねえけどな！！
朝比奈「あ、じゃあ…」
お、何か閃いた？
朝比奈「翔太くんって呼んでいいですか？」
俺「…いいけど、何で？」
師匠からは掛け離れてるけど。
朝比奈「ラウールくんも呼んでるから、ずるいなって」
俺「翔太くんって呼びたかったの？」
朝比奈「はい…ダメですか？」
俺「勝手にすれば」
朝比奈「勝手にします！」
なかなか可愛いところもあるじゃん。
それ以来、ちょこちょこ話し掛けてきては、
朝比奈「翔太くん」
なんてにこにこしながら呼ぶもんだから。
深澤「ねえなべ」
俺「何？」
深澤「なべってもしかしてロリコン？」
俺「ブッ」
ひそひそと声を顰めて何を言うかと思えば。
俺「は！？」
深澤「いや、朝比奈ちゃんが翔太くん♡って言うたびに、めちゃくちゃ鼻の下伸びてるから」
俺「伸びてねえし！」
岩本「いや結構やばいよ？側から見ても」
阿部「可愛くて堪らないのだだ漏れ」
佐久間「可愛いのは同感だけどー、うちの可愛い弟子に変なちょっかいかけないでね？」
俺「かけられてる側だから！」
宮舘「翔太…」
俺「その顔やめて」
ほら、言わんこっちゃない。
女がメンバーになるってやっぱ面倒だ。
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作者名：うさみ
| 作成日時：2023年7月8日 14時
