カレカノごっこ【梅原裕一郎】

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今日のアフレコも頑張ろう！



お手洗いを済ましそんな風に心の中で意気込みを入れながら楽屋へ戻ると話し声が聞こえた



あれ、もう誰か来てるのかな？
それとも宏ちゃんが帰ってきたのかな



ドアノブに触れた時 "西山" と聞こえて思わず耳を澄ませた








「え〜！西山さんに振られちゃったの！？」


「そうなの！最近売れてきてるしいいかなって思ったのに今は誰とも付き合う気ないって！本当にムカつく！」


「あちゃ〜笑 苛立ってるね〜笑」


「当たり前！わざわざこっちから言ってあげたのにそんな理由で振られるとかありえないから！」









これって…宏ちゃんの話だよね…？







「だからなんか仕返し出来ないかなーって笑」


「あ、じゃあ台本でも盗っちゃう？笑」


「あはっ それいいかも！」









その瞬間私は楽屋へ入って彼女達に叫んだ








貴方「やめて！！！」







彼女達は突然入ってきた私を見て一瞬驚いたがすぐに反抗的な態度を示してきた








「日辻さんには関係ないですから」


貴方「台本が無いとどれだけ大変か貴方達にだってわかるはずです…返して下さいっ」


「彼女気取りのつもりですか？笑 いつもべったりくっついちゃって。西山さんきっと迷惑してますよ？」


貴方「っ…そんなのわかってます。」








そんなのわかってる。だから今頑張って宏ちゃん離れしようとしてるんだから。


けど今そんな事は関係ない
私はただ大切な友達の大事な物を返して欲しいだけだから


返してくれる素振りがない彼女達から無理やり取り返そうと掴みかかった









貴方「返して！」


「ちょっと、なんなの！離してよ！」


貴方「それは宏ちゃんの大事な物だから…返して！」


「いい加減にしてよ！」


貴方「きゃっ」









思い切り押されて尻もちをついてしまった








「1人じゃ何も出来ない癖にでしゃばんな！」








1人の女性が楽屋に用意されていた水の入ったペットボトルを掴みそれを私に掛けようとして咄嗟に目を瞑った




その時誰かが私を包み込んだ気がしてゆっくり目を開けた








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