僕だけのヒロイン (ページ9)

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隆「いやそれ好きだろ(笑)」

決定！なんて言って俺を指さす隆二。

いやいや、お前まで人のこと指さすなや(笑)

「それは違うわ」

はっきり否定する俺に、はあ～？ってがんつける隆二。

いや、だから怖いって(笑)

隆「その人の笑顔見なきゃ一日が締まんねえなんて、恋でしかねえ！」

「いやだってさ、あの学校一の美人がよ？俺に笑顔向けてさ？そんで一緒に帰るなんて、めっちゃいい気分じゃん」

隆「うわ、性格わっる…」

ドン引き、って顔しやがって(笑)

「もし隆二が俺と同じ立場でもそう思うって」

隆「いや、俺なら絶対ソッコー好きになるし」

ああ、そうっすか…(笑)

でもまあ俺は違うな。

Aさんに振り回されてる感はあるけど(認めちゃってる)、それも自分が望んでしてることっつーか。

……あれ？それなんかやばくね？

振り回されることを望んでるとか、ドMっぽくね？！

俺、Sのはずなのに…(泣)

隆「そういえばさ、伊吹が気にしてたけど」

「ん？」

隆「最近お前とAさんが親密って、校内でも噂広まってんじゃん」

え、まじかよ。

さすがAさん…噂回るのが早いっすねえ。

隆「伊吹に聞かれたよ。付き合ってんのかな～って」

『へー…』

伊吹の気持ちは勘付いてはいたけど、こうやって人づてに聞かされると…

あー、なんか、まじで俺のこと好きでいてくれてんだって。

でもなんでだろ。きっと少し前の俺だったら、素直に喜んでた気がする。

自惚れじゃなかったんだ～って。

なのに今は素直に喜べねえっつーか……

前はたくさん女がいる中でも伊吹がいちばん可愛く見えてた、のに。

あー、あれだ。あの我儘な女のせいで、目が肥えたんだ。