僕だけのヒロイン (ページ48)

今日:21 hit、昨日:0 hit、合計:728,486 hit

..46 ページ48

『おみのばか～…』

「ん、ごめんね」

『……』

「大好き」

『………』

「…Aは？」

そう言うと、ハッとした表情で俺を見る。

「A？」

『好き～…』

「ありがと」

『んっ…』

やっと通じ合った気持ちを確かめるようにお互い抱きしめあって、唇を合わせた。

『…おみっ』

「A、」

『ちゅー！』

一旦離した唇を、子供みたいにねだってくるAが超可愛くて、俺はまたAの唇を味わった。

『…おいっ』

ついついAの胸にのばしてしまった俺の手を掴み、ストップをかける。

「ごめんごめん(笑)」

『もお～……』

怒ったようなふりをするAの表情も可愛いっす(笑)

『ねえ、今からデートしよ？』

「え、授業は？」

自分でそう言って気付いたけど、もう授業始まってるなあ(笑)

『そんなんいいじゃん！ね、行こっ』

すっと立ち上がって俺の手を引っ張るA。

「はいはい」

やっぱり俺はいつまでもこの人のペースに巻き込まれる運命なのかも。

「おい！A！登坂ー！！」

Aに手を引かれて、堂々と校門を抜けようとしている俺たち。

校舎の中から俺たちの名前を呼ぶ生徒指導の先生の声が聞こえる。

俺はその先生に軽く会釈して(笑)

手をぎゅっと握り返し、Aの隣を歩く。

そして耳元でつぶやいた俺の言葉に、笑顔で返してくれたA。

一際輝く、学校中のヒロイン。

”これからは、俺だけのヒロインでいてよ”

fin.