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岩「なにしてるんですか？」
『…あそこ、サッカー部』
岩「見てるんすか？」
『うん…』
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黙って岩ちゃんの話を聞く。
Aさんが、俺のこと見てた……？
岩「めっちゃ穏やかな顔して笑ってるんすよ。もう、どう見ても恋する乙女って感じで」
そのときのことを思い出しながら、ほんの二ヶ月ほど前のことを懐かしそうに話す岩ちゃん。
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『この席ね〜？思い出あってね〜』
岩「サッカー部の人とのですか？」
『……去年ね？よくここでその人と話して、一緒に帰ったりしてたんだあ』
岩「好きだったんですか？」
『んーん……』
岩「…今は？」
『……私、最初はこの場所にいたことも全然違う理由があったのに、気付いたらその人といることが楽しくなってて…』
岩「両思いじゃないんすか？」
『…どうかな〜…好意を感じる気もするけど、わかんないんだあ……』
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ま、そんな感じです、と話し終える岩ちゃん。
岩「で、ですよ？俺、そのあと名乗ったんすよ。したらA先輩、めっちゃひどくて！ごめん、私君に興味湧かないから名乗らないし聞かないし、失礼だったね〜って(笑)」
思い出して爆笑してる(笑)
岩「そのサッカー部の人には、真っ先に名乗ったし聞いたのにな〜なんて言うんですよ？(笑)」
俺は記憶をたどり、Aさんとの初対面を思い出す。
”私、AA！”
”君は？名前！”
”…ん〜……おみ！”
俺の呼び名を勝手に決めて、笑顔でそう言ったAさんを、今でも鮮明に思い出せるんだ。
岩「そのあとも何度か教室で会ったけど、A先輩はいつもグラウンドを眺めてました。幸せそうな笑顔のときもあれば、切ない表情のときもあって…」
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作者名：山海
| 作成日時：2015年2月14日 21時
