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今日もAさんと一緒に帰る。
電車を降りて、Aさんの家までの道を歩く。
Aさんがいつものごとく腕を組んできて、俺たちの距離は日に日に近づいている。
ただし、物理的に…(笑)
でもまあそのおかげで(？)俺とAさんが付き合ってるって噂はどんどん広まり、その関係を疑う人はほとんどいなくなっていた。
それは俺としては嬉しい反面複雑で。
普通に考えたら、こいつ俺のこと絶対好きだよな、はい告ろう！みたいな感じになると思うんだけど(笑)
そもそも直己先輩とはどうなった？って感じだし、もしかしたら、やっぱ俺って都合のいい存在なのかな、とか、、
本当、しょーもないことばっか考えてて、早く本人に聞けよ、って隆二にも健ちゃんにも言われてる。分かってんだけどさあ…
腕を組んで俺に密着して、チュッパチャプスをくわえながら俺の反対側の景色を見て、鼻歌を歌うAさん。
あー、くそ、可愛いし綺麗だし、肌とかめっちゃすべすべだし透明感あるし、足もなげーし！たまんないっすわ…
思春期の男としては、正直めっちゃ触りたくてしょうがないんすけどね、はい。
『ん？』
ガン見する俺に気付いて、こっちを見て首をかしげる。
「いや…」
今だ！聞け！聞いとけ、俺！
『欲しい？』
そう言ってくわえていたチュッパチャプスを差し出す。
「うん…」
『はい』
いや、違うし！別に欲しくねえし！
と思いながら受け取って口にくわえる俺。
…あ、間接キスじゃん……
って、もう家着くし。あーあ、今日も聞けなかった。
『おみ？』
組んでいた腕を離して、俺を呼ぶ。
「ん？」
『私ねえ、おみのこと好きだよ？』
え？！
「え、う、うん、え？うん、お、俺も！」
『そっか、良かったあ』
じゃ、また明日ね！と言って家に入っていくAさん。
ちょ、なにそれ！
どういう意味の好きなの？！なんの確認だったわけ？！
こないだの頬にキスはやり逃げだし、今日は言い逃げだし！
ほんとあの人なに！(笑)
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作者名：山海
| 作成日時：2015年2月14日 21時
