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そして迎えた新学期。
俺は変わらず伊吹と登校する。
伊「あれ？髪切ったの？」
「うん。昨日あれから美容院行った。まあ気分転換？」
伊「ふぅん？いいじゃん爽やか」
そんなことを話しながら電車に乗る。
伊「クラス替え緊張するね〜」
「俺５組がいい」
伊「なんで？」
「昇降口から教室まで近いから」
なにそれ〜、と笑う伊吹。
いつもと変わらない、俺の隣にある姿に心底安心する自分がいた。
学校に着くと、昇降口前の掲示板に群がる生徒たち。
そこにクラス名簿が張り出されており、自分のクラスを確認して靴箱に向かうのだ。
「うわ、めっちゃ人ゴミ…」
群がる生徒たちにげんなりする俺を、しょうがないじゃん、と呆れ顔で見る伊吹。
隆「あっ！」
「え」
伊「(笑)」
人ゴミの中から隆二がでてきて、俺たちと目が合った。
隆「おせーよ！」
「遅くねえよ(笑)何組だった？」
隆「俺らみんな一緒だった！３組！」
「げっ」
隆「え？」
伊「残念だったねえ広臣」
伊吹のその言葉に、俺と一緒で嬉しくねえのかよ！と言う隆二。
いや、それはほんとに別に嬉しくねえよ(笑)
伊「昇降口遠いねえ、残念でした」
隆「そこかよ」
「はあ……まあいいや。教室入ろうぜ」
まあなんだかんだこいつらと同じクラスになれたのは良かった。
なんてことを考えながら、二年になり一階になった昇降口に足を踏み入れる。
すると、後ろのほうから俺を呼ぶ声が聞こえた。
その声に反射的に振り向く俺。
…ああ、やっぱり好きなんだなって思うんだ。
「おはようございます、Aさん」
『おはようっ。おみ髪切ったの〜？かっこいいねえ』
なんて無邪気な笑顔を向けるAさん。
やばい、めちゃくちゃ可愛い。
好きって自覚したら全然違く見える。
「Aさんも髪切ったんすか？幼くなったね」
前髪も長めの胸下まであった髪が鎖骨あたりまで切られ、前髪はラウンドのぱっつんになっていた。
『ほんとっ？』
「え、嬉しいの？」
『うん！いつも老けて見られたからさ〜』
「あー」
『あーってなに！』
「いや別に。精神的には前から幼かったけどね(笑)」
うるさいっ！と、俺の肩をバシッと叩くAさん。
その動作さえ可愛く見える。
そうとう惚れてんな、俺。
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作者名：山海
| 作成日時：2015年2月14日 21時
