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夕陽のオレンジ色に染められた伊吹の横顔はすごく綺麗で、思わず見とれた。
そして、俺も自分の気持ちを嫌ってほどに自覚するんだ。
伊吹が好きだ。
臣に向く一途なこいつの気持ちが、俺に向けばどれだけ幸せなんだろう。
何度も思って諦めようとした俺の想い。
伊吹が臣のこと諦めるなら、俺はお前のこと諦めねえ。
今そう決めたよ。
俺が自分自身の心と向き合っていると、伊吹は涙を拭って、俺に笑って言う。
伊「だからね、覚悟はできてたよ。…急じゃなくて良かった。思ったよりは傷ついたりしてない」
あー、強がっちゃうんだ。今泣いてたくせに。
伊「広臣の幸せが私の幸せ、なんて綺麗事はさすがに言えないけどさ、A先輩といるときの幸せそうな広臣の表情は、守りたいなって思うし」
「ふぅん」
伊「なに、その感じ〜」
「べっつに。まあ、他にいくらでもいい男いるって」
なんて十人並の慰めの台詞。
伊「どこどこ〜？」
「ほら、お前の斜め前に」
伊吹と自分を交互に指さすと、思わず吹き出してる。失礼な。
伊「あははっ、なに〜、隆二、私のこと好きなの？！(笑)」
なんて冗談交じりに言う。
俺は冗談なんかで言ってねえけどさ、まあいっか。
「好き好き〜」
伊「うっわ、適当！もー最低」
A先輩も、臣も、伊吹も、…俺も。
みんな片想いって、なんなんだよ、なあ。
でも俺は終わらせてやる。この片想いの連鎖を。
好きなやつの幸せを願うんじゃない。俺の手で幸せにしてやるんだ。
「とりあえず、デートでもしとく？」
伊「しょうがないなあ、いいよ？(笑)」
＿＿＿番外編＊片想いの連鎖 fin.
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作者名：山海
| 作成日時：2015年2月14日 21時
