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このへんでいちばん大きい神社に足を運ぶと、そこには高校の同級生や、俺と伊吹の地元のやつら、それに隆二の地元の友達(強面勢揃い)もたくさんいた。
初詣を済ませ、三人で甘酒を飲んだり、知り合いと話したりしていると。
「登坂くん！」
俺を呼ぶ声に三人全員が振り返る。
「あの…私のこと、覚えてる？」
え、えっと…はい。
中学同じだった、あの………思い出せない(笑)
俺は伊吹にヘルプを求め目線を送ると、”あ・や”と口パクで教えてくれた。
「あ、え〜っと、あや、ちゃん？」
あや「あ、うん！」
嬉しそうに返事をするあやちゃん(当ってたみたい)
今ちょっといいかな、と言われて二人で人目にあまりつかないところに移動した。
こ、これはもしかして。
あや「あの、ごめんね、三人でいるところに、声かけちゃって…」
俯き加減に、寒いからなのかなんなのか、少し頬を赤く染めている。
「いや、大丈夫…」
あや「えっと…あの、会うの卒業式ぶりだね」
「そうだね」
平然と返事をするけど、すいません、卒業式での君との記憶さえありません……
あや「私、登坂くんのこと好きだったの」
お、おお、きた！(笑)
あや「卒業したら忘れられるって思ってたけど、全然忘れらんなくて、で、今日偶然会えて、今日しかないって思って…」
「…そうなんだ……。………！」
そう話す彼女の向こう側、何メートル先か、見つけた。
…Aさんと、目が合った。
あや「あ、あの、」
「あ、ありがとう……でも、ごめん！俺、好きな人がいる」
とっさに口にしていたその言葉。
あや「あ、そうなんだ……ごめんね！突然…じゃあ、また…」
そう言って足早にその場を去っていった。
その後ろ姿を少しの間見送り、俺の足は動き出した。
すると後ろから腕を掴まれる。
隆「臣！」
「あ、隆二…」
隆「どこ行くんだよ」
「あ、ごめん。あっちにAさん見つけて…」
隆「…おまえ、見てみろって。男といんじゃん」
隆二のその言葉に、遠くのAさんを見る。
……なんだ、ほんとだ、仲良くしてんじゃん。
直己先輩と初詣なんて。
「…帰るか！」
そう言ってまた隆二のほうを見ると、隆二の少し向こうに、俯く伊吹が目に入った。
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作者名：山海
| 作成日時：2015年2月14日 21時
