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隆二に抱きしめられて、懐かしい感情が一気に込み上げた。
高校生の頃、相容れるはずのなかった私たち。
強引だけど優しい隆二にいつしか惹かれてた。
２３歳の隆二よりも力強い、だけど１７歳の隆二より頼りない。
そんな感じで。
スタジオの廊下。スタッフさんの声にハッとした隆二が私を腕の中からほどいて、ご飯に誘ってくれた。
「すごいね、隆二」
「まあ…頑張ったかな。Aだって、すごいよ」
「ありがとう」
隆二が連れてきてくれた和食屋さん。
私だって、仕事の付き合いでたまに来るけれど、隆二もこういうところに来るようになったんだな。
個室で向き合う私たち。
お互いの近況報告なんかして、ぎこちない空気が流れてる。
お箸を置いて、隆二を真っ直ぐに見た。
「隆二、すっごく遅くなっちゃったけど、デビューおめでとう」
もしもまた会えることがあったとしたら。
これだけは伝えたいってずっと思ってた。
さっき隆二は、ずっと会いたかったって言ってくれたけど、私もそう。
これだけはいつか直接伝えたいって、ひとつの願いでもあった。
「言えて良かった。…だから私も、今日会えて良かった」
私を真っ直ぐに見る隆二の大きく開いた瞳が揺れてる。
同じようにお箸を置いた彼が俯いて、肩を震わせた。
「ずっとテレビで見てたよ。
ドームツアーまで出来るなんてほんとにすごい。歌もすっごく上手になっちゃってさー踊ってるの見たときはびっくりしちゃった。
今日ちょっと演技してたけど、やっぱアレは向いてないね。メンバーさんの中で隆二がいちばん下手だったよ」
そう言って笑うけど、隆二は変わらず俯いてる。
「…煙草もやめたの？あの一族の中にいたんじゃ体力持たないよね。
でも男社会は慣れっこでしょ？隆二って笑っとけばいいやみたいなとこあるけど、それでなんとかなってそう」
ズズッと鼻をすすった隆二が、目を真っ赤にして顔を上げた。
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広香 - 読みました！！続き楽しみにしてます！早く更新お願いします！！！ (2018年3月24日 2時) (
レス) id: 2f3743cf16 (このIDを非表示/違反報告)
メープル(プロフ) - とっても楽しみです！！ 更新待ってます！ (2017年8月23日 22時) (レス) id: 84cf98de9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山海
| 作成日時：2017年4月5日 18時
