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「Aさん、さっきチラッと見えたんですけど…」
そう言って、私の鞄から見える企画書を指した。
「ああ、これね、プレゼンもまだで決まってないよ。やだな、これでいざ撮影ってときに私いなかったら超ださい」
「そうなんだ。頑張ってくださいね！一緒に仕事したいし……Aさんとまた会えるから」
すっかり大人っぽくなった岩田くんが真剣な表情でそんなことを言うから、少しドキッとした。
“だから今は連絡先聞くのやめときます”なんて。
ずるい人間にはなりたくない。
だから帰り際に伝えた。
「岩田くん、私ね、あの頃───…」
.
.
これは意地かな。
岩田くんとの再会が良い刺激になったのかも。
“三代目J Soul Brothers”の文字が刻まれた企画書と向き合った。
何年振りかに再会するかもしれないあの人に、情けない姿は見せたくない。
あの頃のあの人が目を背けたくなった私のままで会いたい。
絶対にこのＣＭをモノにするため、プレゼンを完璧に仕上げた。
クライアントにも気に入っていただけたし、部長にも久々に褒めてもらえた。
このチャンスを絶対に無駄にできない。
私情ははさまない。
そしていざ、撮影日。
７年以上振りに会うかつての恋人───今市隆二。
画面越しに見るよりも大人の魅力が増した彼に、一瞬釘づけになった。
ものすごく小さな声で私の名前を呟いたのも聞き逃さないくらい、私の神経が彼に集中するのを感じた。
それでも丸一日の撮影を無事終えて……
クライアントに挨拶を終え、帰ろうとしたとき。
後ろから掴まれた腕。
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広香 - 読みました！！続き楽しみにしてます！早く更新お願いします！！！ (2018年3月24日 2時) (
レス) id: 2f3743cf16 (このIDを非表示/違反報告)
メープル(プロフ) - とっても楽しみです！！ 更新待ってます！ (2017年8月23日 22時) (レス) id: 84cf98de9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山海
| 作成日時：2017年4月5日 18時
