Scar

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「もしもし？A？」


『里菜〜！』



夜、週末に結婚式を挙げる地元の友人の里菜から電話がかかってきた。



『あの、ごめんね。いろいろ準備とか手伝えなくて』


「何言ってんの。招待客よ〜あんたは」


『んーでもやっぱそばにいたらなんかやれることあったのになって思うじゃん』


「ありがと」


『祐輝くん元気？』


「元気元気、相変わらずうざい(笑)」


『旦那のことそんなふうに言ったら駄目〜(笑)』


二人して「ギャハハ」って笑う。


やっぱ、里菜と話してるとガサツな自分がでちゃうなあ(笑)


「そっちはどうー？」


『…んー』


「なんかあった？」


『んー』


「なになに！焦らすな！」


『えー(笑)』


「(笑)いいことあったんだあ」


『ふふ〜会ったら話す〜』


「はいはい。楽しみにしてます」






「じゃあまた式でね」と里菜との電話を切った。


剛典くんのこと、すっごく話したいけど、やっぱり躊躇する。


それでも抑えきれない高まる気持ちがあって、にやけてしまったのがバレた。




私、もう剛典くんのことこんなに好きなのに。


自分がこんなで、うまくいくって思えない。


二人きりで会うのが怖くて、彼との恋がどうやって進展するって言うんだろう。


やっぱり、不安のほうが大きい…。



なのに、それでも、それでもって思うんだ。

..27＊剛典side→←..25

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