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剛典くんとの電話が終わると、瑠衣がニヤニヤしながら私を見ていた。


「なになに、一緒に名古屋帰るの？！」


『う、うん、そうみたい…』


「キャー！！何その急展開ー！！！」


私が一番驚いてます！！！



…でも、大丈夫かなあ、いろいろと。


新幹線、一緒に乗るの？隣？不安…


そもそも女と二人って大丈夫なのかな、剛典くん…。


撮られたり、しないのかな…。


嬉しいとかドキドキより、嫌な緊張で気が重くなってきちゃった…。



「A？何考えてんの」


『あ…』


「大丈夫？」


『うん…』


「心配することないと思うよ？新幹線は二人きりじゃないし、向こうだって立場あるんだし、変なことしないって…」


『…そうだよね、ありがとう……』


「A、頑張れ」




私の表情の変化に気付いて声をかけてくれる瑠衣。


毎日顔を合わせる人に自分の過去の話をして、こんなに気が楽になると思わなかった。


瑠衣は私への態度を変えることもなく、変な気を遣うこともない。


それがありがたかった。

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