Scar

..18＊剛典side ページ19

「でも俺、やっぱあの子のこと頑張りたいっす！！」


と俺が意気込むと、臣さんは「じゃあ今から引き返して連絡先聞いて来い」と言い振り返ったけど、彼女の姿はもう見えなかった。


臣「に、逃げた？」


「やめてー！俺やっぱめっちゃ避けられてる？！」


臣「もう岩ちゃん恋の病ですって病院行けよ(笑)」


「恥ずかしい！！！」







頑張りたい、と口に出したらもう今すぐにでも彼女に会いたくなった。


話してみたい。


本当はすぐに自分の気持ちを伝えたい。


自分の立場とか、やらなきゃいけないこと、決心したこと、他にもたくさん大切なことはあるのに、彼女に対するこの気持ちをとりあえずどうにかしないと何もできない気がした。







二日後―――。



直人「岩ちゃん、飯行かない？」


「行きましょう〜」



直人さんはいつも気軽にご飯に誘ってくれる良い先輩だ。




直人「岩ちゃん、最近何悩んでんの？」


「えっ」


直人「いや(笑)ばれてるのもわかってるでしょ(笑)」


「え、いや…はい(笑)」



俺は(人2)さんの話をした。


直人「つーか何ヶ月片思いだよ(笑)そんな奥手だっけ？」


「や…正直言うと多分今までは真剣じゃなかったからいけたんすよ。真剣じゃないというか、先のこととか、自分の立場とかいろいろ…考えることもなかったから」


直人「告る前からそんな考えてんの？！」


「相手のこと考えるというか、自分のことっすね。今が自分にとってターニングポイントって分かってるし…」


直人「ああ。でもその子のこと考えちゃってんでしょ？」


「考えすぎて、やばいっす」


直人「もう答え出てんじゃん。気持ち伝えたいんでしょ」


「………」


直人「うまくいくでもいかないでも、とりあえずその子に伝えてそのもやもやは消化しろ。これリーダー命令だから。多分岩ちゃん今のままじゃいろんなことうまくいかないよ」






直人さんのおかげで気持ちが固まった。


明日にでも、病院に行こう…

..19→←..17＊剛典side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す