ナギの苦悩 ページ2
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宮「【かっこよくいなければならないあなたへ】って、なにそれ、啓発本?」
『ちょっと!勝手にタイトル読まないで!』
いつもどおりのお昼休み。
友達の
別に友達がいないわけじゃないから!
宮「へえ、クールなナギ様でいるのも大変なんだね」
『そうなんだよ...』
そう、私はこう見えて、アイドルなのです。
まあ、アイドルっていっても、地下なんだけどね。
私はお父さんの入院費用をどうしても稼ぐ必要があって、学生のアルバイトで稼げる額なんてしれてる。
そこで、従兄弟のツテで、【GIRLS DO NOT PERFECT】っていうグループに所属することになった。
そして私はプロデューサーに、かっこいいキャラで売るから、と入った日に言われた。
かっこいいね、なんて、言われたこともないのに。
それ以来、カッコいい「白来ナギ」でいるための研究の毎日。
まあ、研究のおかげか、応援してくれる人もいてお金も入るし、かっこいいことを言ってファンの人に喜んでもらうのも、嬉しいのだけれど、
ひとつだけ問題がある。
ちなみに宮近は私が入る前からのノンパフェの古参で、私が加入した日に私の正体は呆気なくバレた。
恥ずかしいから、本名使ってないのに。
宮「それにしても、本当にナギ様と全然雰囲気違うよね。元太もそりゃ気付かないわけだ」
『女の子はね、メイクとかでいろいろ顔が変わるの』
ナギのクールな雰囲気に合わせるために、どれだけ化粧をこだわってると思ってるんだ!
宮「俺は、こっちの方が好きだよ」
『え?どっち?』
宮「...分かんないなら教えない」
『えー、何それ。そんな態度じゃ女の子にモテないよ』
宮「自分だってナギ様じゃなきゃ元太に相手にしてもらえないくせに」
『まって、それは言わない約束』
ひとつだけの問題、それは、
私の好きな人、松田くんが白来ナギ推しであること。
そして、私の正体に気づいてないことなのです。
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作者名:吐愛 | 作成日時:2020年10月16日 9時