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Aの寝室には時計がないと練習生のころミョンホから聞いたことがある。
どうしてミョンホがAのそんな寝室事情まで知っていたのかということは取り敢えず横に置くけど、ミョンホ曰く、Aは眠るときの小さな物音さえもうるさく聞こえてしまうんだそうだ。
自分だって、そんな話を持ち掛けてきたミョンホだって、騒がしいところで眠るのは得意じゃないけど、時計の音まで気になるのは相当だなと思った記憶がある。
まあ、どうしてこんな話を今思い出しているのかと言うと、Aは眠れているんだろうかと思う事態が今まさにこの場で起きているからだった。
GOING SEVENTEENの企画で去年に引き続きTTTの撮影(言ってしまえばちょっとした旅行)に来た今回もメンバーたちは歌って、食べて、ついでに飲んで、遊んで。
それを何度も繰り返していて、驚くことにスンチョルとジョシュアとスングァンの３人が買ってきた巨大な焼酎もそろそろ底をつきそうだった。
お酒を飲めば、ただでさえ元気なメンバーたちはもっと元気になるわけで…
夕飯のあと、ミンギュの誘いで足球をすることになった今、その声は暗闇に響き渡っている。
下手したら何人かのメンバーたちが寝ている部屋まで聞こえているかもしれない。
もしそうだとしたら確実に少し前に「おやすみなさいー」と手を振って寝室へ向かったAは起きているだろうな。
SC｢ジョンハナーどこ行くんだよー」
JH｢んー？ちょっと中の様子見てくるだけ」
SC｢中の？」
JH｢そうそう。誰か起きてないかなぁと思ってさ」
ちょうどいいタイミングで「休もう。一回だけ休もう」と誰かが言って足を止めた隙に、建物の入り口へ向かおうとすると、スンチョルに見つかった。
上着のポケットに仕舞った両手をパタパタと揺らして、「まだ寝ないよ見てくるだけ」と告げれば、了解と頷いてまたお酒を飲んでいる。
相変わらずの酒の強さ。
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作者名：柊
| 作成日時：2023年3月29日 18時
