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SG｢俺は、Aに“自分たちと一緒に歩かせてあげてる”なんて思ったことは今まで一度もなくて、…Aが“自分たちの後ろをついて来てる”と思ったこともなくて。
だから、きっとAのその言葉に“ついて来てくれてありがとう”なんて言うのはおかしいと思ってる。
Aが自分のことを何かと低く見積もって、自分がグループの足枷になっていないか考えて。
そうやって過ごす日があることを知った上で、あの言葉がそんな気持ちから来るんじゃないかと勝手に想像してしまった上で、
この手紙がAに必ず届くものだと約束されているなら、これだけは言おうと決めていました」
スングァニが一文、また一文と読み進めて行く度に、自分がAへ何もしてあげられなかったんだと思う無力感に、そんなAにはハンソラが側にいてくれたんだという安堵感が混ざって、なんだか複雑な気持ちになった。
そんな自分に｢なんて顔してるんだよ」って話しかけてきたのはハニで、
それに「なんでもないよ」と返せば、今度はスングァンの様子がさっきとは変わっていることに気付く。
今までよりも深く、長く息を吸って。
少しずつ吐かれていく息に続くように「A」とそこに書かれた名前を口にした声は、僅かに震えていた。
きっと、スングァニは気づいているんだろう。元々感情の豊かな子だし、誰よりもボノニとAの近くにいる子でもあるから。
書いた人物はもちろん、これから先に続く言葉にどれほどの感情が込められているのかも。すべて。
言い方は悪いけれど、それはもう嫌というほど。
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作者名：柊
| 作成日時：2023年3月29日 18時
