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それからあっという間に時間は流れて、ファンミーティングを迎えた日、Aは無事にそれらを書き終えたらしい。
舞台に出る少し前、舞台袖でなぜかお互いの顔を確認しているボノニとAに「ちゃんと書けた？」と声を掛けてみれば、Aが「書けたよ」と頷いた。
ここで書けていないと言われたら大問題だけど、取り敢えずAは一安心。
それから返事のないボノニへ目線を動かせば、なぜか長い時間じっとAを見つめたあと「まあ、多分」と言って、肩を竦めてみせた。
JS｢たぶん？笑」
VN｢今まで言ってないこと書いたつもり」
｢ヒョンたちに？」
VN｢いや、Aに」
｢…それは苦情？要望？」
VN｢まあ、捉え方によるかも」
それはたくさんのカラットたちの前で読まれても大丈夫なんだろうか。
というか、苦情とも要望とも取れる手紙って果たして何が書かれているんだろう。
色々と気になるところはあるけど、ここで直接ボノニに手紙に関することを聞くのはやめておいた。
だって、ここで聞いたらせっかくの匿名で言いたいことが言える機会を奪ってしまうわけだし、それに何よりこのローリングペーパー、書いた本人は匿名と名を打ってはいるけど、意外と簡単に分かってしまうものだった。
その証拠に
「スンチョリヒョン。ヒョンは本当に気苦労が多い人で心配になるけど、いつもいいお父さんでいてくれてありがとう」
「ハニヒョン。イタズラをしているようで結局はいつも自分たちを見守ってくれて、いいお母さんでいれくれてありがとう」
「シュア。ヒョン呼びは気にならなくなりましたか？」
そんな文章から始まったローリングペーパーはAからのものだと、あの場にいた全員が分かったと思う。
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作者名：柊
| 作成日時：2023年3月29日 18時
