月よ星よと Ⅱ (ページ36)

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ジフニがこうなってしまう気持ちは分からないわけじゃない。だって、Aの受験勉強に一番熱心に付き合っていたのは紛れもなくジフニ本人だったから。

元々、Aはかなり勉強ができる方だったからこれと言って韓国での勉強も難しいことはなかったけど、時々頭を悩ませるその“時々”が心配でずっと付き添っていたのだ。

Aが｢ジフニヒョン。寝ていいよ」と言っても、｢眠くないからいい」なんて言って寝なくて。

Aが見ていない間はうとうとしているのにAが振り向くと何故かしっかり起きているんだから中々強い意志だったと思う。

WZ『分かんないとこない？』

　『今のところは』

そうやって手を掛けたら掛けた分、心配にもなるんだろう。

また練習室を歩き始めて、ふと扉の前で立ち止まったジフニをじーっと目で追えば、徐に入り口の扉が開いて、誰かと思えばマネヒョンが入ってきた。

練習室をぐるっと見回すと目の前にいたジフニに「お。いたいた！」と声を掛ける。手には携帯電話。表情はどちらかと言うと優しく見える。

・｢ジフナ。Aから電話だよ」

WZ｢Aから？」

HS｢あ、じゃあ試験もう終わったんだ」

・｢そうそう。今さっきね」

「それからすぐに掛けてきたみたい」とマネヒョンから携帯を受け取ったジフニがそれを耳に当てがう。

自分もそんなジフニへ顔を近づければ、微かに「ジフニヒョン？」とAの声がした。

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