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｢カラットからのメッセージだって。ヒョン」
入り口のゲートを潜ったあと、Aが足を止めたところで一緒に立ち止まる。
隣に並んでAが向いている場所と同じところを見れば、Aが言った通りカラットからのメッセージが掛けられていた。
そして、その所々に自分たちが書いた“あなたにとってSEVENTEENとは”の答えが書かれたボードが設置されている。
ああ、そういえば、Aがこれに何と書いたかどうかまだ聞いていなかった。教えてくれなかったわけじゃなく、一度聞いたときはまだ考えているところだったから。
メッセージを読むフリをして、Aの書いたボードを探す。ウジ、ミョンホ、ミンギュ、ドギョム。
そうやって順を追えばすぐに見つかった。
そして、それから少し思考が止まる。
決して悪い意味じゃない。Aの答えが“分からない”だったから。分からないって何だろうかと少し考えてしまっただけで。
｢ヒョン」
SC｢……ん？」
｢それ特に深い意味はなくて、そのままの意味ですよ」
何となくAに見ることを知られない方がいいと思って。
１人で探して、見つけて、こうやって読んだわけだけど、結局周りをよく見ているAには気付かれていたらしかった。
メッセージから目は離さずに｢いきなり言われても上手く表現できるものがなくて」と自分に声を掛ける。
｢最初は、“自分の世界そのもの”だって書いたんです。でも、一言言葉にすると意味が変わってしまう違う気がして消しました」
ウジヒョンの答えが許されるなら自分もそれにすればよかった、と。Aがウジの答えを見ながら呟くように言った。
まあ、ウジの答えは何も間違いではないけど、何より他のメンバーが真剣な答えを書いている中で“SEVENTEENとは数字”と一言だけ残したのはやっぱりウジらしいなと思う。
SC｢…世界？」
｢そう。自分が思い出したい記憶の中には必ずヒョンたちがいるから」
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作者名：柊
| 作成日時：2023年3月29日 18時
