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勝ち負けが関わると感情的になるメンバーは何人もいて、しかも、そうなると皆が皆一斉に話し始めるものだからスングァンがとある対応策を打ち立てた。
それが、“愛嬌をしたら発言権”。
この提案がいいのか悪いのかは別だけど、メンバーが落ち着いたと言えば落ち着いたのかもしれない。まあ、そもそも騒ぎの元凶は提案したスングァン張本人だったんだけど。
スングァニ、ハニヒョン、ミョンホヒョンが流れるように愛嬌をしていく中で隣にいたAが「ボノナ」と声を掛けてくる。
ちなみに残るマフィアは自分で、Aはただの市民のはずだ。
VN｢なに？」
｢ボノニがマフィア？」
VN｢…なんで？」
｢なんとなく」
VN｢…なんとなく？」
Aの左隣にいるウォヌヒョンは、まだ耳当てをしているからかAの小さな声は聞こえていないみたいだった。メンバーが争っているところをにこにこと楽しそうに眺めている。
自分としては、当てられたことに焦るというより疑問の方が大きい。そんな素振りは見せていないはずだけど、どこら辺で？
なんで？と聞けば、何となく。ただその何となくは大正解なわけで、(庇ってくれたスングァンには申し訳ないけど)さすが同い年。
ただ、ここでAが愛嬌をして「ボノニだと思う」なんてさっきから何かと自分を疑っているディノと一緒に手を挙げてしまえば、逃げ切れる自信はあまりない。
いつまでも元気に自分を庇ってくれていたスングァンだけど、Aの声には耳を貸すことが目に見えている。
VN｢おれかもって言うの？」
｢いや、ここで言っても誰も聞いてくれなさそうだし、何なら愛嬌をしても発言権以前にそっちにクレームが付きそう」
VN｢なんて？」
｢ちゃんとやりなさいって」
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作者名：柊
| 作成日時：2023年3月29日 18時
