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シュアヒョンからの言葉を受けてから改めて、部屋の中をぐるりと見回してみる。それにしても多い。
一体、何着あるんだと考えれば考えるほど、スタイリストさんやメイクさんの張り切り具合が目に見えるような気がした。
滅多に女の子に振り切った格好やメイクをしないAだから張り切りたい気持ちは分からなくもないけど。
特にメイクのところのヌナたちは、誰がAを担当するかで必死になっていることだろう。
あの人たちは、「Aを思いっ切り可愛くしたい」といつも言っているから。
グループでのAのコンセプト上、叶わない願いであるそれがやっとできる今回は、間違いなく内部で争いが起きているはずだ。
JS｢でも、白いドレスはやめておこうか」
WN｢なんで？」
JS｢妹が嫁に、ってクプスが泣いちゃう」
WN｢…ああ、なるほど」
JS｢ハニも危ないよね」
WN｢シュアヒョンは？」
JS｢ん？オレは簡単に認めないから大丈夫」
WN｢さすが」
JS｢ありがとう」
JS｢ウォヌはどれがいいと思う？」
WN｢おれは何でもいいと思うけど」
JS｢何でもが１番ダメだよ。ウォヌ」
WN｢どうでもいいんじゃなくて何でも似合うって意味だから」
そう言えば、シュアヒョンがぴたりと動きを止めた。
なんなら瞬きさえも止まっている。
何か変なことを言っただろうか。
WN｢なに？」
JS｢いや？オレたちもだけど、ウォヌも大概だなと思ってさ」
にこにこと口角をあげたシュアヒョンが手に取っていたドレスをハンガーラックに戻す。
その大概は、一体何を指すのか。
分かるような。分からないような。
ただここでシュアヒョンに聞き返すのは、また何か面倒ごとを引き寄せてしまう気がして、「そうかもね」と頷いて止めにした。
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作者名：柊
| 作成日時：2023年3月29日 18時
