月よ星よと Ⅱ (ページ23)

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WN｢A？」

JS｢そう。A」

WN｢じゃあ、とうとう折れたの？」

JS｢元々男の子の格好が特別好きってわけでも、女の子の格好が苦手ってわけじゃないしね」

WN｢…まあ、たしかに」

JS｢スングァニ曰く、“Aは僕とお揃いがいいんです”ってことだから、今回はちょっとだけお揃いから脱却」

去年までの授賞式は頑なに自分たちと同じスーツを着ると言って聞かなかったAだけど、今年はどうやらその意志は折れて、ドレスを着ることになったらしい。

ただでさえ何事だとなる話だったのに、シュアヒョンが提示した理由はそれなりに納得のいくもので、意外と容易に話の内容は飲み込めた。

JS｢それでスタイリストさんたちがここに揃えてくれたんだよ。ここにあるのはどれでも似合うから折角だし好きに選んでって」

WN｢あぁ、そういうことなんだ」

JS｢ただ、Aが微妙な顔してたから。一緒に選ぼうって言ったんだけど」

WN｢逃げられた？」

JS｢正解。ちょっと目を離した隙にに“シュアヒョンに全て任せます”ってメッセージだけ残ってた」

JS｢選ぶのは全然構わないんだけどね。どれが似合うかなんてすぐ分かるし、でもちょっと自分だけだと好みが反映されそうで怖いでしょ？」

WN｢それでオレが呼ばれたの？」

JS｢そう言うこと」

｢さすがウォヌ。飲み込みが早いね」とシュアヒョンが小さな拍手をこの異質な空間に響かせた。

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