月よ星よと Ⅱ (ページ17)

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　｢言われたんです」

WZ｢…何を？」

　｢ヒョンたちとは本当の家族でもないくせにって」

WZ｢は…？」

　｢さっき外で練習生の女の子たちに」

…ああ、家族ってその家族のことか。実家じゃなくて、グループの方。

そうやって1人で納得していれば、｢ただ一緒にいるだけで家族なのは変だって」とやけに冷静な声のままAが言った。

傷付いていないのか、将又、そう見せないようにしているのか。いや、でもさっきの演奏を思えば何かしら思うことはあったはずだ。

WZ｢変も何もないだろ。そう思ってるんだから」

　「うん。でも、色々気に食わない部分があったんだと思うよ」

そんな言葉を聞いてからゆっくりと横を向けば、瞼を伏せているAが見えた。視線を落として、床に踵をつけたままつま先を小さく揺らしている。

Aは、うちのメンバーから大切にされていると思う。

根っからの末っ子気質なスンチョリヒョンは最初の戸惑いが嘘みたいにAを毎分毎秒気に掛けているし、ハニヒョンもシュアヒョンもそれは明らかだった。

ウォヌとかも意外に。

もちろんグループの質を落とさないようにとスニョンや自分が練習中に強く言ってしまうことはあっても、それはグループのためであって、Aを陥れたいわけじゃない。

その証拠にスニョンは練習終わりに必ずAの頭を撫でていて、そんなスニョンにAはむしろ少し呆れているようにも見える。

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