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JH｢うるさかったでしょ」
｢そうでもないよ」
JH｢正直それは無理があると思うけど？笑」
｢うーん…まあ、でも、自分にとって嫌な煩さではないから」
｢ヒョンたちの声には意外と安眠効果があるんだよ」
JH｢……あれに？」
“あれ”と指を差せば、Aがもう一度外を見た。
窓越しに聞こえた声と何やら暴れている何人かのメンバー(おそらくルール違反でもしたんだろう)に｢あれは止めた方がいいかもしれないけど」と呆れたように笑う。
｢ヒョンたちの声が聞こえるときは何も考えずにいられるから、きっと楽なんだと思う」
JH｢あんなにうるさいのに？」
｢小さい音が全部落ち着くものだとは限らないでしょ？」
JH｢じゃあ、時計とかは？」
｢時計は何かしなきゃって急かさせれる気分になる」
JH｢…あぁ、そういうことね」
｢そういうことって？」
JH｢ううん。こっちの話」
JH｢じゃあ、今日はヒョンが子守唄歌ってあげようか？」
｢ハニヒョンが？」
JH｢うん」
｢ダメだよ。ヒョン」
JH｢なんで？」
｢ヒョンがそんな滅多にしないことをして、雪が降ったら帰りの車が怖い」
JH｢A？」
｢部屋の毛布も増やさないと」
JH｢ちょっとAさん？？」
そうやってAのことを少し睨むように見つめれば、ごめんなさい冗談だからと子どもみたいな笑い方をした。
そして、何故かそのまま後ろにぱたりと倒れて、天井を見上げる。その顔を覗き込めば、Aの手が伸びて自分の髪に触れた。
JH｢Aってば、いつからこんなに可愛くない子になっちゃったんだろうね？」
｢うーん、ヒョンのせいだよ」
JH｢おれのせいなの？」
｢そう。全部ぜんぶヒョンが会いに来てくれたせい」
｢ハニヒョン」と呼ばれた名前にのんびりとした返事をしながら、伸ばされていた手を掴む。
反対の手で今度はAの前髪を撫でれば、榛色の目がふっと細められた。
なに？って聞いても返ってこない返事を待つけど、やっぱりAはまた笑うだけで、自分には何も教えてくれないらしい。
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作者名：柊
| 作成日時：2023年3月29日 18時
