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DK｢ウォヌヒョン」
WN｢ん？」
DK｢迷子だって」
WN｢…何て？」
DK｢チェスンチョル20歳。空港で迷子」
自分の耳元に顔を寄せて、微かに聞こえる会話に聞き耳を立てていたウォヌヒョンが不審そうに目を細める。
自分もこの状況をよく理解できていないからウォヌヒョンの鏡になったみたいに同じように目を細めれば、「ちょっと貸して」と受話器が奪われた。
WN｢A。携帯は？」
『見つからないから今公衆電話』
DK｢あ、待ってヒョン。これAの携帯？」
WN｢…げ」
『ああ、そっちにあるの？』
WN｢お前ヒョンから散々携帯は携帯しろって言われてるのに」
『そう思って充電器に掛けてたんだけど』
DK｢…本末転倒」
WN｢ソクミナそんな言葉知ってたんだ」
DK｢……え？」
なんか中々辛辣な言葉が聞こえてきたような気がするけど、まぁ気のせいかな。
スンチョリヒョンとどこで
SC『あ！！』
『ん？』
DK｢今のヒョンの声じゃない？」
SC『A！！こっち！』
バタバタバタッと明らかに誰かが走ってくる音と一緒に聞こえてきた明らかにヒョンの声。
すごいな。あの広い空港の中から携帯も迷子放送も無しにAを見つけるなんて。
もしかしたらスンチョリヒョンって何か特殊なセンサーとかついてるのかも。
SC『乗り遅れる！』
『え？ああ、ごめん。ソクミニ、ウォヌありがとう』
DK｢え？あ、うん！いってらっしゃい！」
それから「ほら、早く！」ってヒョンの声と「行ってきます」ってAの声を最後に公衆電話の時間制限が来てしまって、ぷつりと電話が途切れた。
なんか勢いがすごかった。ヒョンの勢いが。
あ、でも。
DK｢ねぇ、ウォヌヒョン」
WN｢ん？」
DK｢なんかAの声楽しそうだったね」
受話器を置いて、ウォヌヒョンの方を向けばもう側にはいなくて、冷蔵庫からペットボトルを取り出しているところだった。
こっちを振り向くことはしないで「うん。よかった」ってどこかさっきのAと似た声で返事をする。
DK｢よかったって？」
WN｢Aが楽しそうで」
楽しげというか安堵に近いような、そんな声だった。
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作者名：柊
| 作成日時：2023年1月29日 9時
