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DK｢スンチョリヒョンとA、ちゃんと着いたかな？」
部屋の窓から外を眺めて、そう呟く。
外は見事な快晴。広がった青の中には雲が一つもなくて、お出かけ日和ってきっとこんな感じなんだろう。
そして、まさしく、今日チョルヒョンとAは出掛けている。
どこへってほら、“日本”へ。
WN｢大丈夫でしょ」
DK｢ヒョンのその自信はどこから？」
WN｢電車乗って、飛行機乗ったら着くって言ってたじゃん。日本に着いたらAのヌナ待ってるらしいし」
DK｢でも、その飛行機に乗るまでが問題じゃない？」
WN｢まぁ、Aがいるから」
バスに乗って、電車に乗って、飛行機に乗って。まあ、お出かけと言うにはかなりハードな旅を２人は今進めている。
というか国境を越えるものを軽々しく“お出掛け”と呼ぶどうかも怪しいところだけど、Aが出掛けてくると言ったんだから“お出掛け”で間違いはないんだろう。
２人が日本へ行くことになった経緯は“何か”ある。
ただ自分はその何かを詳しく知らない。ウォヌヒョンは「会いたい人がいるんだって」と言ったけど、それにスンチョリヒョンを連れて行く理由とは。
分からない。
言いたくないのなら無理に聞かないけど。
WN｢電話鳴ってない？」
DK｢あれ、本当だ」
『ああ、ソクミナ？』
DK｢え？A？」
取った受話器の向こう側から聞こえてきたのは、今朝“行ってきます”と手を振ったAの声だった。呼ばれた名前にソクミンだよ〜と返せば、「番号合ってた。よかった」とひとつ息を吐く。
DK｢どうしたの？もう日本着いた？」
『いや、そんなわけがなくて』
DK｢え、じゃあ、なんか大変ことに巻き込まれたとか……」
滅多にないAからの電話と明らかにほっとしたような声に焦る。
だって、大抵のことは持ち前の冷静さで何とかしてしまうAがわざわざ宿舎に電話を掛けてくるなんて普段ならあり得ない。
しかも、電話が繋がった途端に息を吐いた。
なんだろう。
もしかして拉致とか。誘拐とか。
『スンチョルが迷子になった』
DK｢え？」
『迷子』
DK｢……ヒョンが？」
｢ヒョンが」
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作者名：柊
| 作成日時：2023年1月29日 9時
