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WN｢Aのことを考えてる人、俺はたくさんいると思うよ」
｢…そう？」
WN｢そうだよ」
Aは人に迷惑とか負担とか掛けないようにって動きすぎてるから“あの子は1人で大丈夫なんだ”って思われがちなんだと思う。
だからこそ、スンチョリヒョンはいつも少し踏み込んで、その様子を窺っている。そして、今回それをヒョンは“間違えた選択だった”と思っているんだろう。
ヒョンもAもお互いのことになるとやけに不器用だと思う。
WN｢だってさ」
｢うん」
WN｢休みに帰る場所がスンチョリヒョンの家以外でもいいって気付いたやつらが来年からお前を連れて帰ろうとしてるの知らないだろ」
｢うわ、知らない」
WN｢歌練習こっそり録音して聞いてるメンバーがいるのも、夜気名前が寝れてるかどうかヒョンたちが確認してるのも」
｢夜に目開けたらジフニがいたことあったんだけど、それ？」
WN｢あー…もしかしたら？」
｢…あぁ、なるほど」
WN｢言わない方がよかった？」
｢少しだけね」
WN｢でも、ほら」
｢…うん？」
WN｢どんな形であれ、お前のことが大切で、その分心配で心配で堪らない人がこの世にはいるんだよ」
手を伸ばして柔らかい髪を撫でてみれば、“いいようにまとめたね”とAが笑った。
今度は口元だけじゃなく、目で頬で声で。
WN｢A」
｢…ん？」
WN｢それがいいって言うならこれから先Aを１人にしないよ」
｢…ええ？」
WN｢だってこれから先何年も一緒にいるんだから」
WN｢逆に１人の時間がほしくなるかもよ」
｢そこは、ほどほどにして」
WN｢まあ、善処する」
“いいように纏めた”
まあ、確かにそうかもしれない。でも、仕方ないことだと思う。すべてに気付いてほしいとは言わないし、すべてを知ってほしいとも思わない。
ただ、どんなに拙い言葉になっても、こんな自分でさえ分かるくらいAのことを考えて想って止まない人がいることだけは、どうか知っていてほしいと思ったんだから。
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作者名：柊
| 作成日時：2023年1月29日 9時
