・ ページ15
．
｢むかしは褒められたら褒められたよっておじいちゃんに言ってたんだけど、今は誰に言ったらいいか分からなくて。
それでたまに突拍子もなく、“自分のこと考えてくれる人なんているのかな”って虚しくなって…まあ、案外そういうのも、寝れば治るから」
「びっくりするくらい自分って頑丈な作りらしいよ」とAが口元だけで小さく笑う。
WN｢それ、ヒョンには何て言ったの？」
｢ヒョンってスンチョル？」
WN｢うん」
｢おじいちゃんのことは話してあるけど、それ以外は特に言ってない」
WN｢…あぁ、やっぱり」
｢だって、変なこと言ってもまた悩ませるだけだよ。ただでさえ会社とメンバーに振り回されてるのに」
色々と話が見えて、何となく、ここ数日のスンチョリヒョンのAに対する言動を思い出す。
Aのことだから抱いている不安感をヒョンに打ち明けていないんだろう。
ヒョンがAに“今年は日本に行け”と言ったとして、Aは“行かない”とそれっきりだったはずだ。
だってこの通りAは、何も知らないから。
WN｢A」
｢…ん？」
WN｢俺が今から言うことはAにとって薄っぺらい言葉に聞こえるかもしれないから、嫌だったら聞かなかったことにしていいよ」
｢？しないよ。だってそれはウォヌの言葉でしょ」
WN｢じゃあ、ちょっとだけ聞いてて」
右耳から左耳に流れていっても構わないから、一瞬でもいいから。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1151人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柊
| 作成日時：2023年1月29日 9時
