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｢別に3回忌に出なくてもお姉ちゃんたちは怒らないから。
もし、何で来なかったっていうならきっとおじいちゃん本人くらいで、そのおじいちゃんもいないわけだし」
Aが前へと転がした石は、勢いよく転がって止まって、何かにぶつかって、結局変な方向に曲がってしまった。
もう一度蹴ってみるわけでもなく、そこに留まっている。
｢ウォヌ」
WN｢…なに？」
｢幽霊っているかな」
WN｢幽霊って、幽霊？」
｢そう。幽霊」
いきなりだなと思いながら、Aが口にするならそれなりの意味があるんだろうと止まりかけていた思考を回す。
未練があれば、とかよく聞く話だけど、実際よく分からない。というかきっと誰も知らない。
一般的にいると明言されるものではないけど、逆にいないとは言い切れないものでもある。
見える人、見えない人。怖いから見たくないと言う人、でも逆に見たいと言う人だっている。
Aは、＿＿＿
｢別に不孝者だって言うならそれでもいいんだよ。そうやって叱りにさえ来てくれれば、もう一回会える」
WN｢…会えるって？」
｢そういう類のものが自分の目に映ればの話だけど」
｢そしたら、小さいころたくさんわがまま言ってごめんなさいも、もっと一緒にいたかったってことも…何一つ、何一つ伝えられてないことを言えるんだよ」
Aは、どうやら後者らしかった。
｢電話を掛けてももちろん繋がらない。あっちは自分の居場所を知ってるのに、自分には何も教えてくれないんだからずるいんだよ本当に」
HS『電話持ってどっか行くの見るけど、話してはないんだよ。相手のこととか考えて掛けられないのかなあいつ』
｢２年も帰って来ないなんて、余程あっちはいい場所なんだね」
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作者名：柊
| 作成日時：2023年1月29日 9時
