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その言葉を聞いた瞬間、Aがぴたりと動きを止めた。
動揺したんだと思う。
それが、真っ直ぐ今ここにいるAへ送られたものじゃなくても、それでも間違いなく、彼女の子どもであるAに向けられた言葉だったから。
深い青色の目が揺らぐ。
水面に落ちた花びらがそこに輪を広げるように、静かに、澱みなく。
・｢ごめんなさい。こんなことあなたに言っても困らせるだけなのにね……でも、今日のあなたを見てたら少しだけ報われたような気がしたの」
｢………」
・｢Aさん、少しうちの子に似てるのよ。うちの子はまだ中学生だけど」
ふふ、と控えめに笑うその人はもうAそのものだった。
実際はAがその人を見て、そういう笑い方をするようになったんだろうけど、それでも“あぁ、”と心を揺らすものがある。
どうしたら良いか分からなくて、隣のシュアに目を配れば、何かを察したように「あれはさ、Aだよね」と小さな声で微笑んだ。
JH｢………ほんとうにね」
ひどく虚しいと思う。
その笑い声も、笑い方も、握る手もAを他人としてしか見ていないのだ。今も、悲しいけれど、これから先もずっと。
沈黙を破るように「櫻木さん」とAの声が部屋に響けば、Aがその人を車椅子に座らせて、床に片膝を付いた。
握られていた手をその人の膝に置くと、またその上に自分の手を重ねてふっと目を綻ばせる。
｢櫻木さん」
・｢うん？」
｢櫻木さんのお子さんは、きっと、楽しくやってますよ。それも毎日たくさんの人に囲まれて。もし、何かを諦めなきゃならなくても絶対」
・｢……そう思う？」
｢はい」
Aのお母さんは、きっと、この先どんどん色んなことを、Aのことを忘れていく。
そして、Aはそんなお母さんをもう素直に母親として接することはなくて、できなくて。
けれど、何度も思うのだ。
あの一瞬だけは、あの言葉に触れた瞬間だけは、Aはちゃんとその人の子供で、その人はAの母親で
｢だって、あなたの子供だから」
紛れもなく、ちゃんとした家族だったと。
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You know without you I'm so lonely→←・
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ちか(プロフ) - いつも楽しくお話し読ませていただいてます！花が咲くならのパスワード教えていただきたいです！よろしくお願いします😌 (12月27日 23時) (
レス) id: 1d3aead61f (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» いつの間にか言われるようになり、言われていると知ってからも尚そう接し続けている櫻木さんです笑 (12月23日 22時) (レス) id: d26c452a39 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - へーーー！！！カラットに“スングァンたちはレイの彼女みたい”って言われてたこと知ってたんだーー！！！！へーーー！！！！！！！( ͡° ͜ʖ ͡°) (12月22日 15時) (レス) @page33 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊
| 作成日時：2023年12月9日 9時
