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「不機嫌な日なんだね」とどこかから聞こえてきた声はほんの少し緩い笑い声を含んでいた。
せっかく寝転んだベッドから身体を起こすのはどうしても面倒で仕方がなくて、とりあえず声が聞こえた方へ顔だけを横に向けてみる。
そうすれば、ちょうど部屋に入ってきたAがそこに立っていて、自分の様子を窺うように見下ろしていた。
JH｢あー…おかえり」
｢ただいま ただいま」
JH｢あのさ」
｢ん？」
JH｢不機嫌な日ってなに」
｢なにって？」
JH｢部屋に入って来たとき言ってたじゃん。不機嫌な日だねって」
なんだか聞き捨てならない言葉だった気がしたけど。
じっとAを見つめ返せば、「あぁ」と１人納得したように頷く。
｢ほら、ハニがわざわざ自分の部屋に来て横になってるときは、大抵不機嫌なときだから。てっきり今日もそうかと思ったんだけど」
JH｢ふーん…」
｢違ったか」
そうやって自分の横を通り抜けて言ったAに “不機嫌なんてもんじゃないよ” なんて口にはしなかったけど。
開いていたカーテンを閉めて、部屋の電気をつけに行ったAの背中に訴えてみる。
＿＿朝からずっと眠いのにいざ寝ようとすれば眠れないし、そのせいで身体は重いし、頭も上手く働いている気がしない。
その割に考えなくていいことはずっと考えてしまうんだから嫌になるんだよ、って。
まぁ、声に出していないんだから伝わるはずもない(もしかしたら何かしら読み取っている可能性はあるけど、表向きは)。
「さぁ…」と言って答えをはぐらかすと、戻って来たAが小さな音を立ててベッドボードに何かを置いた。
少し前に目覚まし時計が壊れたと言っていたから新しいものでも買ってきたのかもしれない。それかスマホでも置いたんだろう。
わざわざ確かめる気にもなれないから放っておくけど。
｢夕飯食べた？」
JH｢食べてない」
｢食べる予定は？」
JH｢お腹空いてないからいらない」
｢ミンギュが張り切って作ってたけど」
JH｢なにを？」
｢それは分からない」
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柊(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» ありがとうございます☺︎そう言っていただけて嬉しいです。読む人それぞれ色んな捉え方をして楽しんでいただけたらと思います🙌🏻 (8月11日 22時) (
レス) id: f0f6ce6cb0 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - こういうどちらの性別とも取れるお話大好きです！！！！性別が選択できってだけでだいぶ違う見方ができますからね！！！最高です！！！続き楽しみにしてます！！ (8月11日 12時) (レス) id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊
| 作成日時：2023年8月10日 22時
